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2025.12.18 夜

前菜から組み立てる、ちょうどいいフレンチ@Le Bonze

フレンチ

銀座・新橋・有楽町

10000円〜29999円

★★★★☆

銀座の路地に店を構える『Le Bonze』。2012年創業。フランス料理を土台にしながらも、気負わず使える距離感が心地いい一軒だ。この店を率いる青木健晃シェフは、銀座の老舗で修業を積み、渡仏・帰国を経て独立。クラシックなフランス料理をきちんと知った上で、そこに少しだけ遊びを足す。その姿勢が、この店の料理や空気感にそのまま表れている。

この店を利用するうえで押さえておきたいのが、アラカルト主体で料理を選べること、そして一皿ごとのボリュームが決して小さくないという点だ。店側からも、前菜を3皿ほど取り、メインを1皿という構成が推奨されている。つまり、前菜中心に組み立てつつ、最後にメインで締めるくらいが全体量としてちょうどいいというわけだ。

料理の軸はクラシック寄りだが、店のスペシャリテにははっきりとしたオリジナリティがある。その代表が「鳥の巣」。極細のカダイフを巣の形にまとめてカリッと揚げ、中央に半熟卵を落とし、周囲をベーコンの旨味を含んだジュレで満たす一皿。食べる際は軽く崩して全体を混ぜる。サクサクとしたカダイフの食感に卵黄のとろみが絡み、ジュレのコクが全体をまとめ上げる。見た目は完全に遊んでいるが、前菜ながら一皿としての満足度が非常に高い。

その他の前菜は、「パテ・ド・カンパーニュ」と「真鱈のムニエル」の2つ。この店のクラシック寄りの軸を最も分かりやすく伝えてくる2皿だ。パテは肉の粒感をしっかり残しつつ、脂の重さに寄らない設計で、ハーブの効かせ方も穏やか。

一方の「真鱈のムニエル」は北海道産の真鱈を使用し、火入れはしっとり。焦がしバターソースの香ばしさが前に出すぎず、淡白で上品な身質をきちんと主役に据える。

メインは「骨付き仔羊のロースト」。オーストラリア産の仔羊を使い、火入れは過不足なく、肉質の素直さがそのまま伝わってくる仕上がりだ。表面の香ばしさと中のしっとり感のバランスが良く、骨周りの旨味まできちんと楽しませる。

デザートは「紅玉のタルトとバニラアイスクリーム」。紅玉らしい酸味の輪郭が明確で、甘さに寄りすぎない構成が印象的だ。バニラアイスのまろやかさが酸を受け止め、口の中をきれいに整えてくれる。

クラシックを軸にしながら、「鳥の巣」のようなスペシャリテで個性も示す。そのバランス感覚が心地いい。フランス料理を、構えず、でも軽くも扱わずに楽しみたい夜。前菜からメインまで、食事の組み立てごと楽しめる店だ。ご馳走様でした。

Le Bonze
03-5565-3055
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13144110/

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