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2025.12.16 昼

表参道の裏路地で、パンを選ぶ贅沢@breadworks 表参道

パン・サンドイッチ・ハンバーガー

原宿・表参道・青山

1000円〜2999円

★★★★☆

表参道の裏動線にひっそりと根を張る『breadworks 表参道』。天王洲を起点にレストランやベーカリーを展開してきたTYSONS & COMPANYの系譜に連なる一軒で、売り場と工房はきっちり分断されることなく、ガラス越しに仕込みや焼成の気配が滲み出す構造。パンが「商品」になる前の工程を目にしながら選ぶという行為そのものが、1つの贅沢として設計されている。

まず人気ランキングの頂点に立つのが「ブルックリンドーナツ(シナモンシュガー)」。この店の思想を最もストレートに体現する存在だ。外側はザクッと音を立て、内側は層を感じさせながらもしっとりとした密度。甘さは控えめで、シナモンは主役にならず香りの輪郭を引く役回りに徹する。油脂のコクを前に出しすぎないから、ドーナツでありながら後味は軽く、コーヒーの邪魔をしない。結果として、何度でも手が伸びる。一位であることに納得しかない。

二位に続くのが「オリーブ」。そら豆のようにふっくらとした独特のビジュアルがまず印象に残るが、中身はアンチョビを効かせたオリーブ。噛んだ瞬間に点で立ち上がる塩気と旨味が、バゲット生地の素朴な甘みと小麦の香りを際立たせる。

三位にランクインする「塩バターブレッド」は、名前通りのシンプルさの中に技術が宿る一品。表面の香ばしさ、内側のふわりとした食感、バターの香りが立ち上がるタイミング。そのすべてが過不足なく整えられている。派手さで記憶に残すのではなく、再現性と安定感で支持を集めるタイプ。

ランキング外ではあるが、「チリビーンズドッグ」もオススメ。クロワッサン生地を使うことで、惣菜パンの枠を一段引き上げた存在だ。全粒粉由来の香ばしさが、ソーセージの脂と自家製チリビーンズのスパイスをしっかり受け止め、噛むほどに層がほどけていく。ボリュームはあるが重たさは残らず、食事としての満足感が高い。

表参道という立地でありながら、一本裏に入るだけで、こんな場所が残っているとは思わなかった。ベーカリーと工房が地続きになり、さらにテラスまで併設する構成は、このエリアではむしろ希少だ。観光地的な派手さに寄らず、パンを選び、食べる時間をちゃんと成立させている。ご馳走様でした。

breadworks 表参道
03-6434-1244
東京都港区南青山5-7-28
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13148002/

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