2025.12.13 夜 駅そばという枠で、きちんと残る味@新田毎 そば 秋葉原・神田・水道橋 〜999円 ★★★☆☆ 駅そばは、待ち時間の数分でもきちんと機能する食として生まれてきた。人の流れが止まらない場所で、短い時間に腹と気持ちを収める。その前提はいまも変わらない。その中で、店ごとに少しずつ味の方向性や記号が分かれてきた。その一つが、秋葉原駅構内にある『新田毎』だ。改札内という立地が示す通り、ここは目的地ではなく通過点。ただ、ここは通過点ながらも、味の輪郭がはっきりしているお店。 軸になるのは甘めに振った出汁。キレで押すタイプではなく、短時間でも印象を残す分かりやすさがある。油との相性も良く、天ぷらを前提に組み立てられた味わいだ。その出汁を最も象徴的に受け止めるのが「春菊天そば」。 丼からはみ出すほどの巨大な春菊天は、この店の分かりやすい個性。刻まず束ねて揚げることで、苦味は穏やかに、量感と香りを前に出す。揚げたての軽さより、出汁に浸って一体化することを想定した設計で、駅そばらしい合理性に収まっている。 そばは標準的な茹で麺で、香りやコシを語るタイプではないが、甘い出汁と春菊天の油を受け止める役割としては十分。全体として派手さはないが、要素同士の噛み合わせは安定している。 『新田毎』は、駅そばの本分から大きく踏み出すことはしない。その代わり、甘い出汁と巨大な「春菊天」という分かりやすい個性を持ち、秋葉原という場所に自然と馴染んでいる。駅そばという枠の中で、無理なく個性を持っている一軒だ。ご馳走様でした。 — 新田毎03-3255-4983東京都千代田区外神田1-17-6 JR秋葉原駅 総武線6番ホームhttps://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13058670/