2025.11.20 昼 大正創業の面影を感じる、根津の甘味処@芋甚 デザート 上野・浅草・日暮里 〜999円 ★★★☆☆ 根津の街を歩いていると、ふと視界に入る木の看板と赤茶の暖簾。下町の空気にすっと溶け込むように佇むのが、1912年(大正元年)創業の甘味処『芋甚』だ。屋号からも連想できるとおり、はじめは焼き芋を中心とした商いだったが、関東大震災を境に甘味処へと舵を切り、火を使わず提供できる自家製アイスを軸にした現在のスタイルが育まれていったのだとか。 注文したのは「アベックアイス」と「アベックあんみつ」。 まず「アベックアイス」。銀皿に並ぶバニラと小倉の二球は、奇をてらわない古典の構えだが、ひと口でしっかり印象を残す。バニラはミルクの輪郭が柔らかく広がり、小倉は豆の粒を残した炊き具合で、香ばしさと甘さがきれいに寄り添う。 「アベックあんみつ」は、寒天の張り、黒蜜の深み、果物や求肥のやわらかい甘さが、控えめながらしっかり役割を果たしている。その上にバニラと小倉のアイスが乗ることで、全体の輪郭が締まり、甘味としての完成度が一段上がる。特に黒蜜と小倉が重なる瞬間は、長い年月で磨かれてきた組み合わせの説得力がある。 百年以上の歴史がある店だが、味わいはどこか軽やかで、今の気分にもすんなり寄り添う。根津の空気とともに静かに続いてきた甘味処で、またふっと思い出した頃に立ち寄りたくなる。そんな距離感がちょうどいい。ご馳走様でした。 — 芋甚03-3821-5530東京都文京区根津2-30-4https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13003559/