2025.11.20 昼 江戸の気配を感じる、参道の寄り道@天野屋 デザート 秋葉原・神田・水道橋 〜999円 ★★★☆☆ 神田明神の参道に寄り添うように歴史を刻んできたのが、1846年創業の甘味処『天野屋』。地下に構えた土室で糀を育てる昔ながらの仕込みを今も守り続け、その手間と時間の蓄積が一杯一皿の味わいにそっと染み込んでいる。発酵の旨みが静かに立ち上がり、口に運ぶたびに“この味はどれだけの時間を重ねてきたんだろう”と自然に想いを馳せてしまう。続けてきた年月そのものが、この店を特別な存在にしている。 「甘酒」はやわらかな香りとすっきりとした甘みが特徴で、糀の旨みがじんわり広がる一杯。砂糖を使わず米と糀だけで仕上げる素直な味わいは、この店が積み重ねてきた時間をそのまま受け取るような感覚がある。飲み終えたあとに体が少しゆるむのが心地よく、思わずもう一口手が伸びた。 「くずもち」はぷるんとした張りのある食感が印象的。きな粉の香ばしさと黒蜜の柔らかなコクが重なり、素朴な甘味の魅力がしっかりと立ち上がる。派手さはなくとも、食べ終えた後にふと記憶に残るタイプの味。 「みそおでん」はこんにゃくの弾力に味噌の深い旨みが寄り添い、軽食としての満足感もある一皿。甘味処でありながら味噌の厚みがしっかり感じられるところに、この店の懐の深さが出ている。 店を支えてきたのは代々の天野家の営み。地下の土室も、糀の扱いも、説得力があるのは、長く続けてきた手仕事がそのまま形になっているからだろう。『天野屋』は参道の途中でふっと立ち止まれるような場所。甘酒の一杯で気持ちが整い、くずもちで少しだけ心が和らぎ、みそおでんで体があたたまる。どれも静かに寄り添う味わいで、参拝の合間に寄るだけで、この店の良さが自然と伝わってくる。 ご馳走様でした。 — 天野屋03-3251-7911東京都千代田区外神田2-18-15https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13006339/