2025.11.03 夜 ネオン街に取り残された、昭和の時間@中華料理 五十番 中華料理 新宿・代々木・大久保 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 歌舞伎町のど真ん中。ネオンが喧噪を刻む街にあって、まるで時間が止まったかのようにぽつんと灯る『中華料理 五十番』。創業は昭和38年とされる老舗で、外観の白い看板には年季の入った文字、店内には手書きの短冊メニュー。すべてが“今”よりも“昔”に重心を置いた空気を漂わせる。 看板の「五目チャーハン」。椎茸の旨味、ねぎの香り、角切りチャーシューの塩味、そしてグリーンピースの彩り。米はしっとり寄りで、ひと粒ひと粒が油をまとい、胡椒が後味を締める。パラパラを狙うわけでもなく、しっとりの中にコクを閉じ込めるスタイル。口に入れた瞬間の香り、噛むほどに出る甘み、レンゲが止まらない。 「鳥唐揚げ」は、衣が薄く、サクッとした歯ざわりのあとに肉汁がじゅわっと広がる。添えられたケチャップと辛子、この昭和の組み合わせが妙にしっくりくる。油のキレも良く、飲み屋街の腹を優しく満たす、どこか懐かしい一皿だ。 この店の魅力は、“変わらないこと”にある。価格も、味のトーンも、店の空気も、昭和からそのまま。夜の街がどれだけ形を変えても、ここだけは動かない。でも、それでいい。油の香り、胡椒の刺激、皿の縁の擦れ。その全部が積み重なって“生きた日常”を作っている。50年以上の歴史を持つこの場所が、今も歌舞伎町の胃袋を支えている理由が、よくわかる。 ご馳走様でした。 — 中華料理 五十番03-3200-3510東京都新宿区歌舞伎町1-15-1 1F・2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13057844/