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2025.10.18 昼

重なり合う旨味、ひと皿の熱量。@あきらカレー

カレー

大阪市

1000円〜2999円

★★★★☆

大阪・肥後橋のオフィス街。昼時になると、ふわりとスパイスの香りが風に乗る。その香りの先にあるのが『あきらカレー』。昼はカレー屋、夜はスパイス酒場。店主・太田明氏は、もともと居酒屋の料理人。間借りカレーからスタートし、2019年に初めてその名を掲げ、2022年にこの地で独立を果たしたという。

メニューには「ココナッツチキンカレー」「あさりキーマ」「柿のライタ」「スパイス炒飯」の文字が並ぶ。一見すると選択肢のように見えるが、実はこれが全部のせの一択。トッピングに何を加えるかだけが、唯一の分かれ道だ。だが、この提供方法こそが、一皿に込められた熱量を感じさせるポイントになっている。

まずは「ココナッツチキンカレー」。ココナッツの甘やかさが舌を包み、すぐ後からスパイスの鋭さが立ち上がる。穏やかでいて、芯が通った香りの流れ。

そこへ重なるのが「あさりキーマ」。肉の旨味に、あさりのミネラルが加わり、旨味の層がぐっと深まる。キーマという定番に海の出汁感を掛け合わせる発想。この一手が、居酒屋出身の料理人らしい柔らかな想像力を感じさせる。

「柿のライタ」は、その熱をやさしく受け止めるクールダウンの役割。果実の酸味がスパイスの刺激をすっと溶かし、皿全体にリズムを生む。小さな匙ひとつで印象が変わる。

そして「スパイス炒飯」。香ばしい香りと強めの主張。米の粒が立ち、しっかりと噛ませる構成だ。スパイスの香りが踊り、炒めの熱が皿の中でひときわ存在感を放つ。カレー単体をじっくり味わいたくなる瞬間もあるが、その衝突すら含めて一皿のストーリーになっている。主張がぶつかり、重なり、混ざり合う。

全体としては、香りの重なりと素材の密度で勝負するタイプ。スパイスを軸にしながらも、組み合わせの妙で印象を変えていく。味の構成に、どこか“料理としてのエンタメ性”がある。静かな緻密さではなく、熱を帯びた混沌の中に面白さがある。食べ終える頃には、軽く汗ばむような熱の残響。スパイスの香りだけでなく、料理人の熱もちゃんと伝わってくる、そんなカレー。ご馳走様でした。

あきらカレー
050-5595-2540
大阪府大阪市西区京町堀1-12-6
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27109182/

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