2025.10.17 夜 静かな高揚、グシテの秋@グシテ イタリアン・ピザ 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★★ 大阪・天満橋。川沿いの風が少し冷たくなりはじめた頃、『グシテ』の扉を開ける。季節ごとに食材が変わっても、どこか懐かしく、安心できる味がある。イタリアの郷土料理の温もりを持ちながら、構成は驚くほど洗練されている。派手さではなく、落ち着きのある精度。だから通いたくなる。 定番の「タヤリン」。何度も食べているのに、毎回少し違う。今回は秋の香をまとって登場。秋刀魚の脂が軽く麺に溶け込み、栗の甘みがまろやかさを添える。トマトの酸が後味を軽く整え、噛むたびに香りがふっと広がる。麺は細く、しなやかで、舌の上でほぐれるような食感。郷土的な素朴さを残しつつ、ひとつひとつの要素がきちんと整っている。食べ慣れた味なのに、口にするたびに季節が更新される。 その他の料理。 「竹島さんのモッツァレラ」洋梨のスープに浮かぶクルックフィールズのモッツァレラ。 「鯖のブルスケッタ」炭の香りとバジルの青み。 「フランス豚のロースト」定番のトンナートソースで。 「盛り合わせ」タン、無花果、鱧など 「スフォルマート」黒枝豆とムール貝。ふわりとした口当たりの中に海の香り。ベシャメルの厚みが輪郭を作る。 「舞茸」泡立つ甲殻ソース。舞茸の香ばしさと金目の甘み。香りの立ち上がりが秋の深まりを告げる。 「ビブロース」肉の香りがはっきりと立ち上がり、トリッパと白いんげんの煮込みが皿の余白を支える。穏やかな力強さ。 全体を通して、定番の安心感の上に乗る季節の移ろいが心地よい。食材の変化に寄り添いながら、味の芯はいつもぶれない。華やかさではなく、積み重ねによって生まれる落ち着き。郷土の温もりに、洗練された感覚が静かに重なる。食べ終えたあとに残るのは、満足よりも穏やかな余韻。また季節が変わるころ、自然とこの店を思い出すだろう。ご馳走様でした。 — グシテ06-6809-7376大阪府大阪市北区天満2-7-1 末澤ビル 1Fhttps://tabelog.com/osaka/A2701/A270104/27093817/