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2025.10.02 昼

イタリアが香るパン屋さん@トラスパレンテ 学芸大学店

パン・サンドイッチ・ハンバーガー

東急沿線

1000円〜2999円

★★★☆☆

学芸大学の住宅街に佇むベーカリー『トラスパレンテ 学芸大学店』。その始まりは2008年、中目黒の商店街に開かれた小さな一軒にある。今では十数店舗を展開するブランドへと成長したが、根っこにあるのはシェフのキャリア。23歳でイタリアに渡り、フィレンツェやボローニャで修業。現地のレストランではパンとドルチェの部門を任された経験を持つ。つまり、イタリア修業の時間こそがこの店のDNAなのである。

その哲学は、まず店名に宿る。「trasparente」とはイタリア語で“透明”。素材の良さを隠さず、まっすぐに伝える姿勢を示す言葉だ。そしてそれは商品名にも徹底している。ここに並ぶのは“カレーパン”でも“ソーセージパン”でも“チーズパン”でもない。イタリア語の響きを持った名前が、一つ一つに小さな物語を与えている。

「スペッツェカレー」。spezie=スパイスというイタリア語から名付けられたカレーパン。揚げではなく焼きで仕上げることで、油をまとわず軽やか。それでいて中の餡はスパイス感たっぷりで、小麦の香ばしさと渾然一体になる。ただのカレーパンではなく、異文化の香りをまとった存在として記憶に残る。

「ビアンカ」。白を意味するその名の通り、素朴な白生地の中から溢れ出すチーズの濃厚な旨味。イタリアではソースを塗らない“ピッツァ・ビアンカ”が定番だが、ここでも余計な装飾を排し、生地とチーズの関係性を正面から提示している。シンプルでありながら、豊かな余韻を残す。

「サルシッチャ」。イタリア式ソーセージの名を冠したパン。ハーブやスパイスを練り込んだ肉の旨味がパン生地にじわりと染み込み、キャベツやチーズと重なり合って豪快さと繊細さを同居させる。ソーセージパンと言ってしまえばそれまでだが、「サルシッチャ」と呼ぶことでイタリアの食文化そのものが立ち上がる。

こうして並べてみると、『トラスパレンテ 学芸大学店』のパンは、単なる惣菜パンではなく、ネーミングを含めて一つの文化体験に仕立てられていることがわかる。日常に馴染む気軽さと、ふとした瞬間に感じる異国の風。その両方を備えたパンがここにはある。ご馳走様でした。

トラスパレンテ 学芸大学店
03-6303-1668
東京都目黒区鷹番3-8-11 ベルドミール・レナ1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13129736/

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