「おいしい」を、
すべての人に。

検索

2025.08.21 昼

ラーメンという名のご馳走@饗 くろ喜

ラーメン・つけめん

上野・浅草・日暮里

1000円〜2999円

★★★★☆

『饗 くろ喜』──その屋号に、この店が目指すベクトルはすでに込められている。「饗(もてなし)」とは、人を喜ばせること。ただ、接客や雰囲気を整えるではなく、ここでは一杯の丼そのもので“もてなし”が成立している。

店主は、和食とイタリアンで研鑽を積んだ異色の経歴を持つ。その経験が生む幅広い発想は、スープにも麺にも、そしてトッピングの組み立てにも宿る。和の静けさと洋の鮮やかさを自在に往来させながら、丼の中に独自の世界観を築き上げている。

カウンターに立てば、寿司屋さながらの所作が繰り広げられる。具材を切り分け、器に盛り込んでいく流れは、一つの料理が舞台の上で完成していくよう。すでにその瞬間から“饗応”は始まっているのだ。

いただいた「塩らーめん」は、黄金色に澄んだスープに加水率高めの細麺が泳ぐ。しなやかなコシとつるりとした喉越しで、スープの透明感を余すことなく拾い上げてくれる。

鶏と魚介の旨味がふわりと広がり、後味は驚くほどクリア。特製でなくとも十分に豪華なトッピングが並び、食べ進めるごとに満足感が高まる。そして仕込まれた仕掛けは、ドライトマトと黒胡椒。和の滋味が一転して洋のニュアンスを帯び、ひとつの丼が別の料理へと姿を変える瞬間に立ち会える。

名物「焼売」は皮がやわらかくほどけ、玉ねぎの甘さと肉の食感がしっかり主張。ラーメンに寄り添うだけでなく、独立した料理として成立している。

そして「和え玉」はあさりチャウダー仕立て。濃厚な旨味が麺に絡み、まるで洋風パスタのような新しい体験を提供してくれる。

器や盛り付けにまで強いこだわりが込められ、一杯のラーメンがそのまま“もてなし”として立ち上がる。そして「饗」という字には、“もてなし”とともに“ご馳走”という意味もある。最後の一滴まで味わい尽くした時、その言葉が腑に落ちる。ご馳走様でした。

饗 くろ喜
03-3863-7117
東京都台東区浅草橋1-28-9 ROJI ASAKUSABASHI 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131103/13290780/

エリア

ジャンル

価格帯

評価

月別アーカイブ