2025.08.10 夜 胃もたれ知らず、あーぼん直系の新店@串かつ だいぼん とんかつ・揚げ物 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 串かつの世界に、またひとつ星が灯った。串かつ界の巨匠『あーぼん』で十年の修行を積んだ泉谷大氏が独立し、暖簾を掲げた『串かつ だいぼん』。串かつという日本の庶民食を、素材主義と遊び心でぐっと引き上げる、その挑戦がここにはある。 まずは「しらすの春巻き」。爽やかな山椒の香りがふわりと立ち上り、軽快なスターターとして食欲をそそる。 続く「帆立」はレア仕立てで、主役はしっかり帆立。ソースの大衆感が、上質な素材を日常に引き寄せる。 「烏賊」は雲丹をソースに仕立て、食感のコントラストが楽しい。 「牛ヘレ」は辛子ソースをまとい、レアの肉汁と旨味があふれ出す。良い食材をあえてジャンクに楽しむ背徳感が心地よい。 「焼き茄子」はとろりとしながらも繊維を感じ、 「車海老」は檸檬と塩でぷりっとした弾力を楽しむ。 「蓮根」はスパイス香る衣と蓮根のほくほく感の対比が鮮やか。 「豚ロース紫蘇巻き」は紫蘇の香りと脂の甘味が重なり合う。 「クリームコロッケ」は熱々の中からとろけるベシャメルが溢れ、思わず頬がゆるむ。 五島列島から届いた「クエ」は端正に仕上げられ、身の張りと旨味が際立つ。 「牛蒡」は香ばしく、土の香りがふんわり。 「茶そば」はさっぱりと口を整える口直し。 淡路の「鱧」は繊細な旨味を持ち、 続く「松茸」は酢橘を絞って香りを立たせる。 肉厚の「椎茸」は噛むほどに出汁がにじみ、 「だだちゃ豆」は素材そのものの甘味と香りを存分に楽しませてくれる。 「玉葱」は噛むたびに甘味が広がり、 冒頭とつながる「しらすとチーズと大葉」は香りとコクが弾ける。 明石産の「蛸」は檸檬をたっぷり絞り、爽やかな酸味と旨味を共演させ、 「玉蜀黍」は粒が弾け、濃い甘味が口いっぱいに広がる。 ここから追加串。 「金目鯛」は上品な脂の甘味が魅力。 「うずら」はほくほくとした黄身のコクが衣に包まれ、 「手羽先」は柚子胡椒がピリリと効く。 「絹さやベーコン」はシャキッとした食感とベーコンの塩気が好相性。 「蛤」はふくよかな旨味があふれ、 「海老パン」は香ばしい油の香りが食欲を引き立てる。 フィナーレは「カマンベールのブルーベリーソース」。濃厚なチーズと甘酸っぱいソースが絡み、デザートも串で締める粋さ。 そして「バニラアイス」で口をすっきりと整え、物語は幕を閉じる。 串かつだけで実に二十六本。それだけの本数を食べても、驚くほど軽やかに駆け抜けられる。胃もたれ知らずのこの体験は、まさに『あーぼん』譲りの技あってこそ。薄衣と油切れの良さ、そして素材の力を最大限に引き出す泉谷氏の感性が重なり、一本一本が完成度の高い一皿として成立していた。ご馳走様です。 — 串かつ だいぼん大阪府大阪市北区西天満4-7-7 サンシステム西天満ガストロプラザ 5Fhttps://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27144502/