香味野菜と並走する、塩の一杯@中村商店 高槻本店

大阪・高槻に本店を構える『中村商店 高槻本店』。関西で名を馳せる「きんせいグループ」の流れを汲むお店であり、グループのセカンドブランド的な立ち位置として誕生した一軒。とはいえ、その存在感は決して脇役ではない。

看板メニュー「金の塩」は、鶏清湯と魚介出汁を合わせたダブルスープで、雑味のないクリアな印象を持つ。しっかりと輪郭のある塩の旨味が広がる。そこに紫蘇の香りがふわりと重なり、重層的な味わいを演出。

さらに印象的だったのが、ねぎ、大葉、あまねぎなどの薬味たち。麺とスープに並走するように、香味野菜の存在が一口ごとに表情を変える。これが単なる添え物で終わらず、まるで“サラダのような感覚”を持たせる構成になっている点が面白い。ときに塩気が前面に出る場面もあるが、薬味の清涼感がそれをリセットしてくれる。

連食だったにも関わらず、つい手を伸ばしてしまった「唐揚げセット」。これがまた、定番ど真ん中の安心感。ザクッとした衣と中に閉じ込められた鶏の旨みと醤油の塩気。しっかりご飯と並走してくれる名脇役に。

『中村商店』の魅力は、過不足のない構成力と、香味野菜の有機的な使い方。その工夫が、都度都度顔を出して、じわじわと印象に残す。そんなラーメンでした。ご馳走様です。

—

中村商店 高槻本店
072-668-1304
大阪府高槻市上田辺町4-14
https://tabelog.com/osaka/A2706/A270604/27064101/