2025.08.02 昼 ラードに包まれた、正統派味噌ラーメン@ラーメン 郷 ラーメン・つけめん 相模原・大和周辺 〜999円 ★★★★☆ 札幌味噌ラーメンの名門「すみれ」から薫陶を受けた一軒、『ラーメン 郷(さと)』。店名に込められた「郷」は、郷土や原点への想いか、あるいはラーメンの“郷愁”すら呼び起こす一杯を目指してのことか。いずれにせよ、この店には確かに「原点回帰」の精神が息づいているように感じる。暖簾にもすみれの文字が小さく添えられており、系譜の正統性と、そこに自らの色を添えようとする覚悟がにじむ。 そんな『郷』の主力はもちろん「味噌ラーメン」。 丼を覆うようなラードの層、その下から湧き立つ味噌の香り。レンゲを差し入れると、粘度の高いスープが重たく舌に絡む。札幌味噌の王道を踏襲しつつも、後味にはどこかまろやかな甘みが残る印象だ。 加水率高めの黄色い縮れ麺は、まさに札幌流儀。スープのパンチを程よく受け止め、もちもちとした歯ごたえで一気にすすらせてくれる。 具材も抜かりなし。もやしのしゃきしゃき感が全体に軽さを与え、ねぎの清涼感がラードの重厚さを中和。特筆すべきは中央にこんもりと盛られた「すりおろし生姜」。これが実に良い仕事をする。スープに溶かし込むと、一気に引き締まる輪郭。寒冷地で発展した味噌ラーメンにとって、生姜の役割はまさに必然だろう。 寒い日には、いや暑い日にも不思議と食べたくなる、そんな一杯がここにある。奇をてらわずとも、魂に染みる味。これこそ、郷愁のラーメンだ。ご馳走様でした。 — ラーメン 郷046-408-1906神奈川県大和市鶴間2-12-32https://tabelog.com/kanagawa/A1407/A140702/14088100/