2025.07.25 夜 アメ横に現れた進化系とんかつ、その実力は?@東京とんかつ がぶう とんかつ・揚げ物 上野・浅草・日暮里 5000円〜9999円 ★★★★☆ アメ横の喧騒を抜け、地下へと潜ると現れるのは、まるでギャラリーのようなモダンな空間。ここは2025年4月にオープンした『東京とんかつ がぶう』。名前から想像する昔ながらの定食屋とはまるで別世界。洗練された無機質なカウンターに、静かな熱気をまとった厨房が広がる。そして、その厨房を預かるのは『とんかつ けい太』で腕を磨いた実力派。俄然、期待が高まるというもの。 コンセプトは“東京とんかつの進化形”。とんかつといえば、こんがり衣と豪快な揚げ音を思い浮かべるが、ここで出会うのは低温調理で火入れを制御した一枚。衣は驚くほど白く、ナイフを入れればピンク色の断面が艶めく。口に含めば、サクサクというよりふわっと軽やか。肉のしっとり感と脂の甘みが舌の上でじんわりと広がり、体は正直にうなずく。 銘柄豚を選べる仕組みも楽しい。今回は縁を感じて「三右衛門」をセレクト。きめ細やかな肉質と、甘やかな脂の旨味が抜群。低温調理と組み合わさることで、そのポテンシャルを余すところなく引き出している。 脇を固めるサイドも気が利いている。キャベツには黒トリュフドレッシングで香りのパンチを。4種の漬物をマヨで和えた小鉢は、箸休めというより小さなサプライズ。米は秋田県産つやひめ。一粒一粒が立ち、噛むほどに甘みが広がる。 さらに、店からの提案として「ご飯にメンチカツと卵黄をのせる」食べ方も。挑戦してみたが、お手本のようなビジュアルにはならず笑。味は悪くないが、とんかつと真剣勝負するなら不要かもしれない。ただ、こういう遊び心は嫌いじゃない。 総じて、技術とアイデアでアップデートされた一皿は、クラシックなとんかつに満足している人にこそ刺さるはず。東京のとんかつは、まだまだ進化するんだという主張が聞こえてくるようだ。ご馳走様です。 — 東京とんかつ がぶう東京都台東区上野4-6-4 OGSⅡ B1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13308066/