もっちり、香ばしい。蕎麦粉が変えるパンの世界@ヴァン ドゥ リュド 尾山台店

尾山台の駅前に青い扉を構える『ヴァン ドゥ リュド（VENT DE LUDO）』。2012年創業、フランス語で「遊びの風」を意味する店名の通り、クラシカルなブーランジェリーにちょっとした遊び心を吹き込むのがこの店のスタイルだ。並ぶパンの中で特に光るのは、蕎麦粉を使ったラインナップ。その香ばしさが、パリ仕込みの技法と見事に溶け合っている。

看板は「リンゴのそば粉パン」。一番人気というのも頷ける。外はしっかり香ばしく、中はもっちりとした食感。蕎麦粉の滋味深い香りに、シナモンをまとった煮リンゴの甘さが寄り添い、噛むたびに果汁感が広がる。ハード系パンのしなやかな力強さに、フルーツの華やぎを掛け合わせた、まさに遊びを感じる一品だ。

「そば粉のクロワッサン」もぜひ食べてほしい。パリパリと音を立てる層から発酵バターの芳醇な香りがあふれ、その奥にふっと鼻に抜ける蕎麦粉の香ばしさ。バターのリッチさに穀物のニュアンスを添えることで、定番のクロワッサンをひとひねり。この小さな変化が、食べる喜びを倍増させてくれる。

ヴァン ドゥ リュドの魅力は、奇抜さではなく、伝統と遊びの絶妙なバランス。尾山台に吹く“風”は、パン好きの心を確実に揺らしてくれる。ご馳走様でした。

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ヴァン ドゥ リュド 尾山台店
03-6809-7405
東京都世田谷区等々力2-19-15 プレジール 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131715/13140110/