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2025.07.24 昼

名シェフのアトリエで体験する、香り高きフィナンシェ@ラトリエヒロワキサカ

デザート

川崎市

1000円〜2999円

★★★★☆

フランス菓子界の名門「モンサンクレール」で10年、スーシェフを務めた男がいる。その名は脇坂浩二氏。数々のコンクールで受賞歴を重ね、“香り”というテーマで独自の世界観を築き上げた実力者だ。そんな彼が、自らの名を冠してオープンしたアトリエが、武蔵小杉の『ラトリエヒロワキサカ』。ここに並ぶ菓子は、どれもが彼の哲学と技術を凝縮した作品だ。

その中にあって今回の目的は「フィナンシェ」。二種類の個性が競演する。

まず「ナチュール」。イズニー産の発酵バターとマルコナアーモンドを使った王道の組み合わせ。外はカリッと香ばしく、中は驚くほどしっとり。噛み締めるほどに、濃厚なバターの旨みとアーモンドの甘い香りが交錯する。潔いまでにシンプルでありながら、素材と技術の完成度で勝負する一品だ。

そして「エラブル」。手に取った瞬間から、ふわりと甘やかなメープルの香りが立つ。その優しい香りがそのまま味わいとなって舌を包み込み、余韻にはほのかなビター感が潜む。単なる甘さではなく、陰影のあるニュアンスが、脇坂シェフのセンスを物語る。このメープルの存在感が衝撃的だった。

二つのフィナンシェに共通するのは、“香り”を起点に構築された味の設計。そして、その香りを最大限に生かすための焼きの技術だ。小さな焼き菓子でここまで語れるのは、素材を知り尽くし、哲学を持つ職人だけだろう。武蔵小杉で出会える、この上質な体験。たった一つの焼き菓子が、心を動かす。そんな時間を過ごしたいなら脇坂氏のアトリエへ。ご馳走様でした。

ラトリエヒロワキサカ
044-281-3865
神奈川県川崎市中原区小杉町2-276-1 パークシティ武蔵小杉ザガーデンタワーズイースト 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14072460/

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