パティシエの感性が息づく珈琲店@一六珈琲店

創業2004年、赤い外壁に看板が映える『一六珈琲店』。店名からは純喫茶の趣を感じるが、その中身には確かな個性が宿る。実はオーナーは元パティシエ。コーヒーの世界に洋菓子の感性を掛け合わせた、甘やかな一軒だ。

まずいただいたのは「水出しのアイスコーヒー」。コーヒーは得意ではないが、一口でその質の高さが伝わる。角のない飲み口と、すっきりとした後味。それでいて香りは柔らかく広がり、氷が溶けても味わいは崩れない。水出しという手法がここまでの完成度を生むことに、素直に驚かされる。

続いて自慢のスイーツから二品。「バスクチーズタルト」は、香ばしい焼き色の奥に、濃厚でなめらかなチーズクリームが潜む。甘みと塩味のバランスは上品で、添えられた飴細工のパリッとした食感が一皿の印象をさらに豊かにする。

「フルーツのロールケーキ」は、ふんわりとしたスポンジに、カスタードと生クリームが重なり、果実が華やぎを添える。クリームの軽やかさと果実の酸味、その調和にパティシエの技を垣間見る。

『一六珈琲店』は、ただコーヒーを楽しむ場所ではない。カップの中にも皿の上にも、オーナーのキャリアと感性が息づく。コーヒーに甘美な余韻を添える一軒、足を運ぶ価値は十分にある。ご馳走様でした。

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一六珈琲店
042-527-1680
東京都立川市錦町1-4-19 親松ビル　102号
https://tabelog.com/tokyo/A1329/A132901/13039610/