2025.07.19 夜 スパイスが描く、焼き鳥の未来形@Bird Lab. 焼鳥・焼きとん 東急沿線 5000円〜9999円 ★★★★☆ 中目黒に誕生した『Bird Lab.(バードラボ)』。2025年3月にオープンしたばかりの新店は、名店「鳥しき」店主・池川義輝氏が率いる「鳥しきICHIMON」から生まれた実験的な一軒です。焼き鳥をベースに、世界のスパイスや調理法を取り込み、鶏という素材の可能性を徹底的に探る。その舞台となるのは、スタイリッシュで洗練された店内。既に“焼鳥店”というカテゴリーを飛び越えています。 スターターは「エッグマサラ」。半熟卵をスパイスオイルでマリネし、アーモンドとフライドオニオンを散らした一皿。黄身がとろりと流れ、スパイスの刺激と甘味が絡み合う瞬間、心を鷲掴みにされます。 続く「手羽中のタヒニシーザーサラダ」は、白胡麻ペーストを使った濃厚なドレッシングに、クルトンではなく香ばしく焼き上げた手羽中を大胆にオン。サラダの常識を軽やかに覆します。 「バターミルクフライドチキン」は、南部スタイルをベースにバターミルクで仕込み、衣はバリッと香ばしく、中は驚くほどしっとりジューシー。 そして、串の世界へ。「かしわ」はケバブ風スパイスとガーリックオイルで肉厚な旨味を際立たせ、 「ささみ」は自家製塩レモンとフェンネルで爽やかな一串に。 「はつ」はハリッサのような辛味とクミンでパンチを効かせ、「せせり」はスマックやタイム、白胡麻を効かせて酸味と香りの奥行きを表現。 「ぼんじり」は北アフリカ風カレースパイスで脂の甘みを包み込みます。 さらに「加茂なす」はとろける食感にスパイスの余韻を重ね、 「ゴールドラッシュ」は炭火と塩だし醤油で甘味を引き立て、 「ひなトロ」はカルダモンやコリアンダーを纏った贅沢な香りを届けてくれる。 挑戦はパスタにも。「蒸し鶏とカラスミのリングイネ」は、カラスミの塩気とオイルの旨味をまとい、噛むほどに奥深い味わい。 「自家製チキンサルシッチャのハーブクリームフェットチーネ」は、濃厚さと軽やかさのバランスが絶妙。 そして締めは「Lab.風そぼろご飯」。鳥しき譲りのそぼろに、オリーブの塩気とわさびを効かせ、和と洋を交錯させたアイデアが光る。 総じて、『Bird Lab.』は焼き鳥の未来を描く場所。鳥しきのDNAを守りながら、スパイスと発想で世界を広げるその姿勢に胸が高鳴る。恵比寿で、新しい鶏の世界を体験したいなら、ここは必訪。ご馳走様でした。 — Bird Lab.03-6303-0451東京都目黒区青葉台1-25-6 JU JAPAN AOBADAI 5Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13307363/