神田の裏路地で出会う、王道の一枚@とんかつ 三

神田の裏路地にひっそりと暖簾を掲げる『とんかつ 三』。創業は2013年、10年以上の歴史を積み重ねてきた一軒だ。厨房を預かるのは、料理歴56年を超える大ベテラン。寡黙な雰囲気だが、とんかつという王道の料理を誠実に磨き続けてきた矜持が漂う。

メニューは潔い。「ロース定食」「ヒレ定食」、そして昼だけの「かつ重」。さらにロースは「イ」「ロ」「ハ」でサイズを選べる仕組み。この日は「ロース定食（ハ）」を選択。岩中豚を使った一皿で、SPF管理下で育てられた肉は、赤身の旨味と脂の透明感に定評がある。

皿の上には、黄金色に揚がったとんかつと、山盛りの千切りキャベツ、添えられたレモンとパセリ。見た目は王道そのものだ。箸を入れれば、薄衣はサクッと軽く、噛むと衣が心地よく弾け、脂の甘みがふわりと広がる。赤身は柔らかさの中にほどよい弾力を残し、噛むほどに旨味を放つ。ソースをまとわせれば力強く、塩で食べれば肉のピュアな甘さが引き立つ。味噌汁やご飯も過不足なく、全体に整った一皿だった。

神田で安心してうまいとんかつを求めるなら、覚えておいて損はない。ご馳走様でした。

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とんかつ 三
03-3527-1919
東京都千代田区神田多町2-1
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13184955/