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2025.07.09 昼

ハンバーグかと思ったら、しっかり酢豚でした@ARBOL

中華料理

秋葉原・神田・水道橋

1000円〜2999円

★★★★☆

新御茶ノ水のほど近くにひっそりと佇む『ARBOL(雅宝)』。2020年創業の若い一軒は、バーのようにシックな雰囲気を纏いながら、靴を脱いで上がるというちょっと意外なスタイルが特徴的。緊張をほどくように足元からリラックスさせ、それでいて照明や設えはしっかりとモダン。肩肘張らずに過ごせる空間の中に、ほんのりとチャイニーズのエッセンスが香る。

この日いただいたのは「鹿児島県六白黒豚 ヨコ井農場の黒酢酢豚御膳」。だが、その見た目は酢豚の常識を軽やかに裏切る。丸く成形された黒豚のハンバーグのようで、揚げによって表面カリッと、中はふっくらと仕上がっている。中には粗挽きの豚肉とごろっとカットされた玉ねぎがたっぷり詰まり、食感のコントラストが実に心地いい。揚げ物の香ばしさと肉の旨味、玉ねぎの甘みが口の中で複雑に重なり合う。

その上からたっぷりと掛かるのは、黒酢ベースのとろみあるソース。酸味は立てすぎず、むしろ甘みとコクのバランスで食欲をじわじわと刺激してくる設計。そこに山盛りの白髪ねぎとカイワレが爽快な清涼感を添え、全体に軽やかな抜けを生んでいる。ごはんとの相性?そんなの言わずもがな。おかわり自由という太っ腹な設定に、箸は完全に加速状態へ。気づけば茶碗が空に。

料理はベースにしっかりと中華の芯がありつつ、そこに店ならではの個性がふんわり重ねられているのが『ARBOL(雅宝)』の魅力。日本の食材をうまく取り入れたり、構成にちょっとした軽やかさを持たせたり。伝統をなぞるだけじゃなく、今の気分に寄り添うような中華に仕上がっている。新御茶ノ水という街にしっくり馴染みながら、ちゃんと印象に残る存在だ。

ご馳走様でした。

ARBOL
03-6811-6050
東京都千代田区神田淡路町2-23-7
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13247563/

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