2025.06.29 夜 裏原に誕生した新しい定食カルチャー!?@ザ テイショク ショップ 居酒屋・定食 原宿・表参道・青山 1000円〜2999円 ★★★★☆ 名前はひたすらにシンプル。だけど、その外観はむしろオシャレ寄り。裏原の路地裏に佇む『ザ テイショク ショップ』は、定食という日本のど真ん中の食文化を、今の感性で丁寧にアップデートした一軒だ。2017年のオープン以来、若者の街・原宿における新しい定食屋のかたちを体現している。 その象徴となるのが、魚を焼くために使われている“石窯”。かつてピザを焼いていた設備をそのまま活用し、遠赤外線の力でじっくりと熱を入れる。これによって魚の皮目は香ばしく、中はふっくらと仕上がり、まるで定食の王様にふさわしい風格を帯びる。 看板メニューの「手塩鮭の石窯焼き」は、その名に恥じぬ完成度。脂の乗りと塩加減が絶妙で、ご飯が止まらなくなる。いや、体が正直なものだ。 トッピングの「しらすおろし」も名脇役として光り、口をリセットしながらも食欲を刺激してくれる。 定食としての構成美も見逃せない。「きんぴらごぼう」や「なめこ味噌汁」など、控えめな味わいながらも手が込んでおり、主役の焼き魚をそっと引き立てている。そして、それを最大限に支えるのが「お米」だ。全国から厳選した一等米を店内で精米し、羽釜でふっくらと炊き上げるというこだわりよう。柔らかな空間と相まって、箸を動かすたびに自然と心もほどけていく。気づけば大盛りをぺろり、ご飯が進むとはまさにこのこと。 定食とは、日常の中の非日常。そんな価値を再認識させてくれるのが『ザ テイショク ショップ』だろう。和食を崩さず、でも今の感性でそっとリデザインする。次世代の定食、そのスタンダードを探すなら、ここを訪れるべし。ご馳走様でした。 — ザ テイショク ショップ03-3409-2018東京都渋谷区 神宮前6-14-12 モードS 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13213159/