「おいしい」を、
すべての人に。

検索

2025.06.02 夜

煙とホルモンの真剣勝負@小野田商店

焼鳥・焼きとん

東急沿線

3000円〜4999円

★★★☆☆

中目黒駅から歩いてすぐ。雑居ビルの一階にひっそりと佇む『小野田商店』。看板は最小限、扉は木目むき出し、ビニールシートが垂れた無骨な入り口が逆にグッとくる。なんの化粧もしていない潔さが、この店の哲学を体現しているのだ。創業は2005年、あの「肉山」の流れをくむホルモン専門店。そう、ここは煙もうもうのカウンターで楽しむ本気のホルモンなのだ。

まずは「センマイ刺し」。黒みが少なく透き通るような身は、下処理の丁寧さを物語る。シャキシャキとした歯ごたえ、クセのなさ、噛むたびに生まれる微かな旨味。酒の肴としても、ホルモン屋の名刺代わりとしても十分な一皿だ。

続いて「牛煮込み」。甘辛い味付けにホルモンのコクが溶け込み、じんわりと胃袋を温める。

そして看板の「ホルモン9種盛り合わせ」。ノド、マルチョウ、豚トロ、コリコリ、ハツ、ツラミ、ギアラガツシン、シビレなど――脂、歯ごたえ、風味、それぞれに個性が立ち、飽きが来ない。炭の香りを纏った「しびれ」は特に印象的で、脂が甘く、口内でとろける瞬間に思わず目を閉じる。

合間に頼んだ「オクラ」と「厚揚げ」も名脇役。火を通すことで甘みを増したオクラ、

表面をパリッと焼いた厚揚げ。脂の合間に、こうした野菜が差し込まれると、味覚がリセットされるようで嬉しい。

そして、最後が「スペ玉ご飯」。炊き立ての白米の中心に、輝くような卵黄が鎮座。醤油と胡麻が香ばしさを演出し、箸を入れた瞬間、とろりと黄身がご飯に絡む。“卵かけご飯”という日常の一品が、ここでは一日のクライマックスに昇華する。これが〆なら、誰も文句は言えまい。

全体を通して、『小野田商店』は、余計なことをしない潔さに貫かれている。奇をてらわず、でもしっかりと仕込み、焼き、仕上げる。その真っ直ぐさが、味わいに正直に現れるのだ。煙に包まれたカウンターで頬張るホルモン、その瞬間にこそ、この店の価値が凝縮されている。

ご馳走様でした。

小野田商店
03-3760-6541
東京都目黒区上目黒3-7-3 野尻ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13021041/

エリア

ジャンル

価格帯

評価

月別アーカイブ