2025.05.27 夜 軽やかに揚げる、誠実な天ぷら@てんぷら 拓 天ぷら 四ツ谷・市ヶ谷・飯田橋 10000円〜29999円 ★★★★☆ 神楽坂駅すぐ、飲食ビルの一角に店を構える『てんぷら 拓』。春日部から神楽坂へと移転を果たし、カウンター7席で構成される小さな空間は、食通の間でも注目を集める天ぷら専門店だ。店主・増田拓実氏が一人で揚げ場と向き合いながらも、決して構えすぎず、穏やかな空気が流れているのが印象的。油は太白胡麻油。軽やかで香り控えめ、素材そのものの味わいをまっすぐに引き出す。余計な主張をしない分、揚げ手の腕がすべてを左右するが、その点において『拓』には確かな信頼感がある。 コースは、季節の食材を活かしたおまかせスタイル。「とうもろこしのすりながし」から始まり、 「車海老」はレア目に揚げ、塩でシンプルに味わう。 「海老の頭」は香ばしく、 「スナップエンドウ」はシャキッとした食感が楽しい。 「鱚」はふんわりと揚げられ、梅紫蘇ポン酢との相性が抜群だ。 「丸ズッキーニ」は皮付きで提供され、ジューシーな味わい。 「マッシュルーム」は水分を多く含み、旨味が凝縮されている。 「鱧」は天草産で、梅との組み合わせが絶妙。 「アオリイカ」は柔らかく、 「赤茄子」は豆腐のような滑らかな食感だ。 「椎茸」は肉厚で、芝海老を詰めた一品。 「稚鮎」は塩で尻尾から丸ごといただく。 「穴子」はふっくらと揚げられ、 「熟成じゃがいも」はメークイーンを使用し、甘味が際立つ。 追加メニューの「馬糞雲丹」は、海苔で巻いてレアに仕上げられ、口の中で旨味と香りが広がる。 締めの「天丼」には、卵黄の醤油漬けが添えられ、タレと共に絡めれば、香ばしさとまろやかさが渾然一体に。 ラストの「自家製ほうじ茶アイス」は、香ばしさとほのかな甘みが余韻を心地よく締めくくる。 決して派手ではない。だが、誠実で、肩肘張らずに楽しめる天ぷらがここにはある。神楽坂という街にしっくりと馴染みながら、確かな仕事で魅せる『てんぷら 拓』。その確かさに、静かに拍手を送りたい。ご馳走様でした。 — てんぷら 拓070-8934-7269東京都新宿区神楽坂3-1 KARUKOZAKA PLACE 501https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13293838/