2025.05.25 夜 昭和が香る、地下のタイムカプセルバー@イーグル フレンチ 新宿・代々木・大久保 5000円〜9999円 ★★★☆☆ ネオンきらめく新宿の夜、その地下に眠るのは、昭和モダンの記憶──『サントリーラウンジ イーグル』。 創業は1966年。現存する新宿最古のオーセンティックバーとも言われ、豪華客船のバーを模した内装は、どこか物語の一頁に紛れ込んだような気分にさせてくれる。サントリー指定の優良モデル店として名を連ね、壁面にびっしりと並ぶウイスキーたちがその矜持を物語る。 だが、イーグルはただの酒場ではない。料理にも確かなこだわりが宿っている。 まずは「生ハムのサラダ」。薄くスライスされた生ハムが瑞々しい野菜をやさしく包み、塩気と苦味のバランスが絶妙。クラシックな構成だが、だからこその安心感がある。 続く「レーズンバターとブルーチーズの盛り合わせ」。クラッカーにのせて口に運べば、濃厚なチーズのコクが洋酒の香りを呼び覚ます。氷の上に盛られた涼しげな演出も心憎い。 「手羽先の唐揚げ」は、香ばしさが主役。外はカリッと、中はジューシー。シンプルながらも、レモンを絞れば、味に一本芯が通る。 冷菜の代表格とも言える「シモフリビーフのネギ巻き」は、極薄にスライスされた赤身が氷の上でキリリと締まり、薬味とともにいただけば、和と洋の境界が曖昧になる瞬間。 そして、看板メニューの「ビーフストロガノフ」。濃厚なデミグラスと生クリームが溶け合ったソースが、やわらかな牛肉とマッシュルームに絡む。その芳醇さは、まるで時間の深度を味わうよう。添えられたサフランライスの香りが、皿の中に異国の風を吹き込んでくる。 料理だけではない。接客もまた、柔らかく控えめでいて、行き届いている。気取らず、だが崩れない。老舗バーが持つべき所作と余裕が、そこにある。新宿という街が刻んできた喧騒の記憶。その中で変わらぬ灯をともす『サントリーラウンジ イーグル』は、まさに都市の片隅にあるタイムカプセル。昭和の空気に包まれながら、グラスを傾け、料理を味わう時間こそが、ここでしか得られない贅沢。ご馳走様でした。 — イーグル050-5872-7422東京都新宿区新宿3-24-11 セキネビル B1F・B2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000922/