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2025.05.02 昼

象と赤いカレーと、少しの余白。@SANZOU TOKYO

カレー

京王・小田急沿線

1000円〜2999円

★★★☆☆

下北沢『reload』の一角。再開発の象徴として生まれたこの低層分棟形式の商業施設は、路地のような感覚を保ちながら、個性ある小さな店舗が並ぶ。

『SANZOU TOKYO』はその一画にあり、立ち食いの提供方法までもオシャレなスタイル提案に見えてくる。コンクリート打ちっぱなしのカウンターに整然と並ぶスプーン。無駄のないデザインに、どこかしら凛とした空気が漂う。

入り口に描かれた三匹の象のロゴが、まず視線を奪う。店名「SANZOU」は、おそらくこの三頭の象に由来しているのだろう。意味をすべて語らないところに、かえって余白と想像の余地がある。そのセンスが、この店の空間にも料理にも通底しているように思う。

いただいたのは名物「セドナカレー」。牛すじと豚の合挽きをベースに、スパイスをまとった真紅のキーマ。赤の理由はビーツ。ビジュアルはまるでボルシチか、あるいはワイン煮のようにも映るが、実際の味わいは中辛の優しめなスパイス設計。牛すじのコク、ビーツの甘み、豚の旨味が渾然一体となっている。白いプレートに盛られたライスにたっぷりルーをかければ、視覚にも食感にも満足度がある。どっしりと濃密な肉の旨味のあとに、ほんのり残るビーツの甘さが余韻をつくる。

食後に供されたチャイもまた穏やかで、香りと温度でフィニッシュを整えるような存在。派手ではないが、きちんと余白を意識して組み立てられたコースのようにも感じられる。

reloadの街並みに調和しながら、しっかりと印象を残すカレー店。立ち食いであることも、象のロゴも、赤いカレーも、どれも“少しずつ変わっている”。それが積み重なることで、この店は記憶に残る。カルチャーと食が交差する下北沢という街において、こういう店が似合う。ご馳走様でした。

SANZOU TOKYO
03-5738-7744
東京都世田谷区北沢3-19-20 reload 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131802/13259982/

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