2025.04.17 昼 神楽坂のごちそう、でも気軽でうれしい。@ピアッティ カステリーナ イタリアン・ピザ 四ツ谷・市ヶ谷・飯田橋 3000円〜4999円 ★★★★☆ 神楽坂の住宅街にひっそりと構えるイタリアン『ピアッティ カステリーナ』。控えめな外観とは裏腹に、店内には女性客を中心とした華やかな賑わいが広がる。料理と空間が一体となり、食べる楽しさに満ちたムードを自然と作り出している。 コースは前菜からスタート。「彩り野菜のミスティカンツァ」は、その名の通り目にも鮮やか。ハーブや食用花が散りばめられた一皿は、まるでブーケのような美しさ。酸味と甘みのバランスがとれたドレッシングが、野菜の個性をふわっと引き立ててくれる。 続くスペシャリテ、「フォアグラのフラン マルサラソース」。 ここに「チーズのフォカッチャ」が添えられることで、味の奥行きが一気に広がる。濃厚なコクととろける口当たり、マルサラ酒の芳醇な甘さが重なり合い、前菜とはまた違う陰影を持つ味の世界へと誘ってくれる。 パスタは2種の構成。まずは「釜揚げしらすのアーリオ・オーリオ」。春の香りをたっぷりと閉じ込めた一皿で、塩気のあるしらすが、オイルとにんにくの旨味と絶妙に調和。 後半は「豚のラグーのトマト煮込み」。平打ち麺にしっかりとラグーが絡み、トマトの甘みと酸味が食欲を再点火してくれる。2つの表情を持ったパスタ構成が楽しい。 メイン料理は低温調理の「高原ポークのグリル」。厚みのある肩ロース肉をしっとりとジューシーに火入れし、バルサミコのソースで引き締める。ほんのり酸味がありつつも、コクが深く、肉の脂の甘さと高次元で結びつく。 ドルチェは「マンゴーのムースとシャーベット」。トロピカルな香りとやわらかい口当たり。最後まで気を抜かない甘味で、余韻にまで丁寧さが宿る。 このフルコースが税込3,300円。価格の話はあくまで一つの側面だが、この内容ならばつい触れたくもなる。華やかな空間と丁寧な仕事。神楽坂という街で、日常の延長にあるご褒美時間をそっと演出してくれるイタリアン。『ピアッティ カステリーナ』は、そんな軽やかで嬉しい昼の一席でした。ご馳走様です。 — ピアッティ カステリーナ050-5869-4047東京都新宿区天神町68-3 橋本ビル 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13130769/