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2025.04.16 昼

北浜の“痛覚コンビ”にご用心。@北浜 丁子

カレー

大阪市

1000円〜2999円

★★★☆☆

北浜のビジネス街、その裏手にひっそりとのびる路地。その先、ふと現れる細い階段を上がった先に、一軒のカレー屋が姿を現す。入り口の脇にちょこんと掲げられた木札の「丁子」の文字──その控えめで整った風情が、この店の品格を静かに物語っている。

ウッド調のカウンターが中心のミニマルな店内。そう、『丁子』の名物は、痛覚に真っ向勝負を挑むスパイスカレー。そのなかでも「激辛チキンキーマ」と「麻辣キーマ」のあいがけは、まさに“痛覚コンビ”と呼ぶにふさわしい破壊力を備えている。

「激辛チキンキーマ」
ハバネロを用いたチキンキーマは、鶏の旨みを芯に据えながらも、序盤からじわじわと、やがてビリビリと襲いくる辛さが主役の設計。口に入れた瞬間は比較的まろやかだが、ワンテンポ遅れてやってくる強烈な刺激が、汗腺と涙腺を同時にノックする。暴力的、しかし確かに癖になる。

「麻辣キーマ」
痺れと辛さのダブルアタック。山椒のビリリと響く痺れと唐辛子の熱が重なり、豚ひき肉に重層的なインパクトを与えている。味噌ベースのコクが隠し味となり、旨みの背景を支えているものの、あくまで中心にあるのは“攻め”の姿勢。米粒を巻き込むようにして辛味が広がっていく。

このふたつのキーマが並ぶことで、一皿の上には灼熱の主戦場が生まれる。スパイスの芸術ではなく、痛覚の祭典。その合間にひっそりと寄り添う「コールスロー」が、まさに救世主のごとき存在。キャベツの甘さと酸味が、ひとときの癒しを提供してくれる。

“ご飯に襲いかかる”──まさにそんな表現が似合う、潔く尖ったカレー体験。『丁子』の階段を上がるときは、どうか覚悟をお忘れなく。ご馳走様でした。

北浜 丁子
080-9604-2016
大阪府大阪市中央区東高麗橋5-3 高麗橋双葉ビル 3F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27092176/

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