2025.04.16 昼 二色のせいろが教えてくれる、蕎麦の幅。@笑日志 そば 大阪市 1000円〜2999円 ★★★★☆ 北浜の川沿い、築60年の旧木造倉庫をリノベーションした空間にひっそりと佇む蕎麦屋『笑日志(エビシ)』。読みは“えびし”、ABCをもじったような店名には、ダジャレ的な要素を感じさせつつも、どこか言霊的な響きの良さが宿っている。2012年の創業から10年以上、静かに、しかし確かにファンを増やしてきた大阪の実力店である。 メニューにもABCが並び、今回選んだのは“Bセット”。二種類の蕎麦が楽しめる「二色せいろ」の構成だ。登場するのは「絹挽き」と「粗挽き粒」の二種。細かく挽いて細く打った絹挽きに対し、粗く挽いて太く打った粗挽き粒。打ち方と挽き方の違いだけで、ここまで世界が変わるのかと驚かされる。 「絹挽き」きめ細やかに挽かれた蕎麦粉を使った細麺で、喉越しが軽やか。するりと口に収まり、蕎麦の香りがふわっと鼻に抜ける。 「粗挽き粒」挽きの粗さが際立つ超太麺で、むっちりとした歯ごたえ。野性味ある風味が広がり、噛むたびに蕎麦の輪郭が深まっていく。 この二種を食べ比べて感じるのは、蕎麦という料理の持つ振れ幅の大きさ。つゆはキリッと辛口で、どちらの蕎麦の個性もきちんと受け止める芯の強さがある。名を聞けば遊び心、味を知れば誠実。そんなコントラストが心地よい。 ご馳走様でした。 — 笑日志06-6232-3733大阪府大阪市中央区平野町1-1-2https://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27067994/