2025.04.13 夜 ピッツァ職人という生き様を、その一枚に。@ イル・ピッツァイオーロ イタリアン・ピザ 仙台市 3000円〜4999円 ★★★★☆ 『IL PIZZAIOLO(イル・ピッツァイオーロ)』──その名は、イタリア語で“ピッツァ職人”を意味する言葉そのもの。つまり、特定の名前ではなく、職業そのものを名乗ってしまう潔さ。肩書きも誇張もない、まっすぐな自信と素朴さを感じさせる屋号だ。場所は北仙台。飲食激戦区の中心から少し外れたこの地にあって、全国屈指の人気を誇るピッツェリアである。 その人気を支えるのは、職人・千葉氏の研ぎ澄まされた感性と、石窯を操る火の技術。「マルゲリータDOC」は、この店の真価を知るには最適な一枚。見た目からして軽やかで、持ち上げた瞬間にその印象は確信へと変わる。耳の部分がほとんど感じられないほどの軽さで、薄生地のピッツァは“かるっ!”という擬音がぴったり。生地の中にはしっかりと空気を抱え、表面はパリッ、中はふわっと。この火加減は、やはり石窯の賜物。そこに重ねられるのは、芳醇なオリーブオイル、溢れんばかりのチーズ、じゅわっと甘いミニトマト。コクと香りが一体となり、どこを切っても完成度の高いひと口が広がる。 「クアトロフォルマッジ」は一転、チーズが主役の濃厚な一枚。ゴルゴンゾーラ、リコッタ、モッツァレラ、グラーナの四重奏は、塩味、甘味、ミルキーさ、旨味が複雑に絡む。ワインと合わせればそのポテンシャルが開花し、チーズ好きにはたまらない一皿となる。 石窯はピッツァだけにあらず。「赤鶏のもも肉の石窯焼き」は、皮目をパリッと焼き上げつつ、中は驚くほどジューシーに。ナイフを入れた瞬間に溢れる肉汁、そのひと滴に石窯の火力と技術の集約を見る。 一見、装飾のないストレートな店名。しかしその潔さの奥には、ピッツァイオーロという仕事そのものへの誇りと信念がにじむ。『イル・ピッツァイオーロ』は、技術と感性をまっすぐにぶつける、職人の生き様が焼きついた一軒でした。ご馳走様です。 — イル・ピッツァイオーロ022-725-3141宮城県仙台市青葉区堤町1-9-21 第13ジュリヤン 1Fhttps://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4016875/