「おいしい」を、
すべての人に。

検索

2025.04.13 昼

仙台から、時代を越えるお菓子を。@カズノリ イケダ アンディヴィデュエル エスパル仙台店

デザート

仙台市

1000円〜2999円

★★★★☆

杜の都・仙台で生まれたパティシエ、池田一紀。

エコール辻東京でフランス菓子の基礎を学び、伝説的パティスリー「ルコント 青山本店」で経験を積んだのち、向かった先は本場パリ。香ばしいバターの香りが街角に溶け込む“食の都”で、彼はフランス菓子の本質を身体に刻み込む。帰国後、2011年に開いた自身の店『kazunori ikeda individuel(カズノリ イケダ アンディヴィデュエル)』は、仙台という地にあって異彩を放ち、瞬く間に仙台を代表するパティスリーへと成長。現在ではここエスパル仙台にも出店を果たし、洗練されたショーケースに、ひと粒のアートを並べている。

まずは店の人気No.1「Mrs.ミガキイチゴ」。宮城県が誇る高級品種“ミガキイチゴ”を主役に据えた、華やかなフレジェ仕立て。軽やかなカスタードクリームに、ふわりと香るさくらんぼのリキュール。その香りと甘酸っぱさがいちごの瑞々しさと調和し、可憐でありながら奥行きある味わいに仕上がっている。地元の果実を、ここまで洗練されたスタイルで魅せる。

続いて「祇園」。和素材を軸にした重厚な構成で、主役は抹茶とマロン。抹茶のほろ苦さが全体をキリッと引き締め、トリノ産のマロンが丸ごと一粒、堂々と鎮座する。下には香ばしく砕かれたクレープ生地が仕込まれ、ザクザクとした食感が舌にリズムを与えてくれるのも嬉しい。抹茶と栗という伝統的な組み合わせに、構成美を与えるセンスが光る。

そして、もうひとつの注目作が「シーラカンス最中」。

十勝産の小豆と、フランス産のバター、ゲランド塩。この組み合わせだけで期待が高まるが、実際に食べると想像以上。濃厚なバターの風味と、小豆のやさしい甘さが、香ばしい最中の皮にしっかりと支えられて絶妙なバランスを生む。さらに、寒い季節には少し温めて食べるのもおすすめ。バターがとろりと溶け、餡はほのかに温まり、皮はカリッと。和と洋が交わる瞬間が、よりくっきりと際立つ。ちなみに「シーラカンス」という名には、“時代を越えて、古き良きお菓子を伝えたい”という想いが込められているという。

仙台に根を張りながら、フランス菓子の伝統と革新を行き来するカズノリイケダ。ぜひこの非日常な一粒を、日常のご褒美に選んでみてほしい。ご馳走様でした。

カズノリ イケダ アンディヴィデュエル エスパル仙台店
022-781-5170
宮城県仙台市青葉区中央1-1-1 エスパル仙台 東館 2F
https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4017426/

エリア

ジャンル

価格帯

評価

月別アーカイブ