2025.04.05 昼 精肉店が仕掛ける、限界ギリギリハンバーグ@大井町銭場精肉店 焼肉・肉料理 大井・蒲田 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 大井町駅からすぐ、飲食店が軒を連ねるエリアにあって、ここ『銭場精肉店』はちょっと異質な空気を放つ。店の入り口には大きな精肉用ショーケース。いわば、ここがただの焼肉屋やステーキハウスではなく、“精肉店”であることを誇示するような設えだ。黒毛和牛のメス牛を一頭買いで仕入れ、部位ごとに使い分けることができる。その魅力が、店の構えと料理の両方ににじんでいる。 この日は「黒毛和種メス牛100%ハンバーグ」と「黒毛和種メス牛カットステーキ」の盛り合わせを注文。 ハンバーグは、表面は軽く焼き色がついているが、中心部はほぼ生に近いレア。ナイフを入れると、柔らかくとろけるように崩れるミンチ。つなぎや玉ねぎは使わず、牛肉のみで構成された一皿。逆にソースに玉ねぎの風味を効かせており、ハンバーグの再構築が行われる。だが、ペッパーを軽く振るだけでも十分に旨い。鉄板の余熱で少しずつ火入れは進むが、中心部の赤身はあくまで“レア”のままを楽しむ設計。かなり攻めている。 ステーキはカット厚めで、しっかりとした噛みごたえが特徴。レアなハンバーグとの対比が面白く、同じ黒毛和牛メスでも柔らかさと繊維の存在感、その両面から肉を楽しめるようになっている。 さて、この“黒毛和牛のメス牛”というこだわり。その理由は、肉のキメ細かさと脂の融点にあるとされている。とろけるような舌触りや、上品な甘み。そうした特徴が、レアハンバーグの設計ともリンクしてくる。個性的な提供スタイルながら、素材を信じる誠実さを感じた。あとは、あのレア加減が好きかどうか。ご馳走様です。 — 大井町銭場精肉店050-5868-7645東京都品川区東大井5-14-19 ISOLA大井町2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13125061/