2025.04.03 昼 “毎日食べたい”をかたちにした、ルヴァンのカンパーニュ@ルヴァン 富ヶ谷店 パン・サンドイッチ・ハンバーガー 京王・小田急沿線 〜999円 ★★★★☆ 渋谷区富ヶ谷。代々木公園のすぐそば、ゆるやかな坂を下った先に、時を重ねた風合いの木の扉が現れる。看板には「Levain(ルヴァン)」の文字。1984年創業、長野・上田にも店舗を構えるこのブーランジェリーは、日本における天然酵母パンの先駆けとも言える存在だ。開け放たれたガラス窓の向こうには、粉まみれの職人たちと、黙々と焼き上げられるパン。外観も店内も、どこか海外の小さな村にあるパン屋のような、温かな生活の匂いがする。 手に取ったのは「カンパーニュ317」。毎日食べても飽きないというコンセプトを掲げる、ルヴァンの顔とも言える存在。しっかりと焼き込まれたクラストには、うっすらと焼き色のグラデーション。ずっしりとした質量感がありながら、口に運べばその内側はしっとりと弾力のあるクラム。 ほのかな酸味と、小麦そのものの香ばしさ。何もつけずに食べてこそ、その完成度がよくわかるが、今回は「胡麻味噌」を合わせてみた。するとどうだろう、この強い味にもしっかりと拮抗するパンの芯の強さ。素材同士が競い合わずに調和する、そんな幸福な出会い。 特別な日のためのパンではなく、日々の暮らしの中でしっかりと支えてくれるパン。派手な装飾も、甘やかな香りもない。でも、だからこそ残る“余白”が、食卓に豊かさを添えてくれる。ルヴァンのパンには、焼かれた時間の重みと、職人の静かな情熱がしっかりと息づいていた。ご馳走様でした。 — ルヴァン 富ヶ谷店03-3468-9669東京都渋谷区富ケ谷2-43-13https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13001841/