2025.03.28 昼 役立たず、なんて言わせない。@酒嚢飯袋 居酒屋・定食 目黒・白金・五反田 1000円〜2999円 ★★★☆☆ “酒嚢飯袋(しゅのうはんたい)”。 本来は「酒と飯ばかりの役立たず」を揶揄する言葉だが、それをあえて看板に掲げるところに、この店のユニークネスが伝わってくる。舞台は目黒、賑やかな通りに面したビルの2階。扉を開けると、和をベースにしながらもどこか柔らかさのある、居心地のよい空間が広がっている。 看板メニューは「海鮮わっぱ飯」。 ふたを開けた瞬間、まず目に飛び込んでくるのは鮮やかな彩り。鮪や鯛、しらすにいくら、そして刻まれた香味野菜や漬物が織りなすその景色は、まさに“海の宝石箱”と呼ぶにふさわしい華やかさだ。細かく丁寧に刻まれた具材は、ご飯との一体感がよく、まるでちらし寿司のようにやさしくまとまっている。紫蘇の香りや胡麻の風味が程よく効いていて、見た目に負けない調和のとれた味わいだ。 後半には「温玉」と「とろろ」の用意もあり、口当たりや風味に変化がつくのも嬉しいポイント。温玉のコクが全体にまろやかさを与え、とろろの粘度がふんわりと包み込む。派手さで押すのではなく、どこまでも落ち着きとまとまりを大切にした設計で、安心感のある一杯に仕上がっている。 ユーモアをまといながら、料理は実直。ひと口ごとに誠実さが伝わるわっぱ飯だった。次は夜の景色を見に来ようと思う。酒嚢飯袋、その真意をもう少しだけ、探ってみたくなる。 — 酒嚢飯袋03-6417-4221東京都品川区上大崎2-26-5 メグロードビル 2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13151263/