2025.03.26 夜 みそらーめんの小さな仕掛け達。@麺小屋 てち ラーメン・つけめん 川崎市 1000円〜2999円 ★★★★☆ 川崎市の住宅街に溶け込むように建つ『麺小屋 てち』は、2015年創業。 平日夜でも待ちが出るという、地元に根づいた人気店だ。“てち”の由来はわからないが、「麺小屋」という言葉はしっくりくるこぢんまりとした店構え。店名からして気取らず、どこか愛嬌があるが、出てくる一杯には1つ2つと工夫が潜んでおります。注文したのは「みそら〜めん」の並。 丼には炒めたもやし、きざみ玉ねぎ、にんじん、青ネギ、そしてたっぷりの豚バラ肉。いわゆる定番の味噌ラーメンとは異なり、具材の構成からして少しユニークで、彩りのある見た目にも食欲をそそられる。箸を入れれば湯気の下から、ふわりと味噌の香りと辣油の刺激が立ちのぼる。スープはまろやかでコク深く、そして、味噌らしい塩気がしっかりと存在感を放っている。辛さはデフォルトでそこそこ効いているが、ただのピリ辛では終わらない。甘み、旨味、塩気、それぞれの層が折り重なりながら、じんわりと体に染みてくる。 豚バラ肉は、脂の甘みと塩気のあるスープとの馴染みがよく、ボリュームもたっぷり。麺は中太の縮れタイプで、スープをしっかり拾いながらも野菜との絡みも良好。にんじんの甘みやもやしのシャキッとした食感が時折アクセントになり、ひと口ごとに変化を感じられる。 卓上の味変アイテムも見逃せない。花椒を加えてシビレを足すもよし、ゆず粉で香りを軽やかにするもよし、酢で全体を引き締めてもよし。提供される一杯が完成形でありながら、続きが楽しめるような構造になっている。 悔やまれるのは、「しめのごはん」が売り切れだったこと。このスープにごはんを落とせば、間違いなく旨い。メニューには「みどり」「きいろ」「くろ」と色名で分けられた3種があり、それぞれ異なる薬味や風味で締められるという。どこまでも遊びが含まれていることの好感度が高い。今度は「しめのごはん」まで、最後まで味わい尽くしたいと思います。ご馳走様でした。 — 麺小屋 てち044-948-4614神奈川県川崎市中原区新城4-4-15 森善ビル 101https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14059560/