名物は担々麺だけじゃなかった！@希須林 麻布台

麻布台ヒルズの一角にある『希須林 麻布台』は、赤坂や表参道にも店舗を構える中華料理店“希須林”の支店のひとつ。

担々麺の印象が強いが、ここ麻布台では「痺れる麻婆豆腐ランチ」をあえて選択。見るからに濃度のある餡が豆腐をしっかり包み、表面には辣油がうっすらと広がる。ひと口目から山椒の香りと痺れがはっきりと立ち上がり、唐辛子の辛さと豆鼓のコクがじわじわと追いかけてくる。しっかりした辛さではあるが、尖った印象はなく、旨味が芯を支えている。豆腐は熱をたっぷり含んでおり、柔らかすぎず、煮崩れもない。粗挽きの牛ひき肉が食感と香りの軸になっていて、ご飯と一緒に運ぶ手が自然と止まらない。

セットの「春巻き」は皮のパリッと感がまず印象的。噛むと軽やかに割れて、じゅわっと野菜の甘みと香ばしさが広がる。マスタードは少し添えるだけでも全体の印象をきりっと整えてくれる。

「サラダ」は葉物野菜の中に、白身魚の刺身、香味野菜、ナッツなどが入っていて、酸味のきいたドレッシングでさっぱりとまとまる。中華料理の中でこのサラダがあると、自然と箸休めの役割を担ってくれる。

店内はシンプルで清潔感があり、スタッフの対応も丁寧。麻布台という立地を考えれば、2280円という価格はむしろ納得感がある。麻婆豆腐、ご飯、春巻き、サラダ、スープと、構成としても不足はなく、一皿一皿の質も高い。気負いのない料理で、期待にはしっかり応えてくれる。特別な技術を誇示するわけではなく、定番の料理を丁寧に仕上げている印象。麻婆豆腐を食べたいと思ったとき、自然と思い出す店がひとつ増えた。ご馳走様でした。

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希須林 麻布台
03-6441-2247
東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130704/13291567/