2025.03.19 昼 そうだ、二郎に行こう。@ラーメン二郎 三田本店 ラーメン・つけめん 浜松町・田町・品川 〜999円 ★★★★☆ そうだ、二郎に行こう。 長らく避けてきたこの聖地、『ラーメン二郎 三田本店』。行列の長さ、尋常ではない量、独特すぎる注文ルール……すべてが足を遠ざける理由だった。だが、この日、東京に降り積もる大雪を見て思ったのだ。「今なら行ける」と。これを逃せば、一生踏み出せない気がして。この雪の中でも10人を超える列。緊張しながらの食券購入。そして最大の難関、“コール”の瞬間が訪れる。「ニンニク入れますか?」の問いに、震える声で「ニンニク少なめで」と返答。言えた……!この時点で、すでに達成感すら覚える。だが、戦いはここからだ。 目の前に現れたのは、噂に違わぬ”圧”のある丼。 ちなみに、これで小サイズだ。豚骨醤油のスープは、背脂がたっぷりと浮かび、レンゲを差し入れれば、どこまでも濃厚な旨味の濁流が押し寄せる。豚のエキスが凝縮され、アブラの甘みがコクを深め、そこにワシワシとした極太麺が絡む。小麦の風味が濃厚なスープをまとい、噛むたびに強烈な存在感を示す。山のように積まれたヤサイは、シャキシャキとした食感を残しつつ、スープを吸いながらしんなりと変化し、味のグラデーションを生む。そして、丼の中でも異彩を放つ”ブタ”。分厚く、ホロホロと崩れるその塊は、脂の甘みと肉の旨味が一体となり、もはやチャーシューではなく”ブタ”という名の別ジャンルの食べ物に昇華している。 そして、ニンニクだ。“少なめ”とは何だったのかと自問するほどの量。それでも二郎の世界では控えめなのだろう。レンゲを口に運ぶたび、麺をすすり込むたび、ニンニクの香りが全身を支配する。もはや食べる必要などない。ただ香るだけで、ニンニクを丸ごと食べたような気にさせる支配力。 食べ進めるうちに、胃袋が悲鳴を上げ始める。しかし、レンゲは止まらない。スープのコク、ゴワゴワ麺の食感、溶け込むアブラとヤサイの甘み……これはもはや、食事ではない。戦いであり、儀式であり、そして信仰だ。行列に怯え、量に怖気づき、注文に戸惑っていた過去の自分よ、聞いてくれ。恐れることはない。二郎は、食べる者すべてを包み込む。そして、一度その沼に足を踏み入れたら、もう戻れないのだ。 ご馳走様です。 — ラーメン二郎 三田本店東京都港区三田2-16-4https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131402/13006051/