2025.03.18 昼 フレンチが香る一皿、カレーの枠を超えて@Mカッセ カレー 大阪市 1000円〜2999円 ★★★★☆ レストランにお伺いする際、再現性の高い定番メニューを選ぶのがマイルールだ。 だが、今回はそれが叶わなかった。というのも、訪れた日は期間限定メニューのみの提供だったから。能動的に限定メニューを選んだわけではないが、結果的には店のコンセプトをより強く感じる一皿に出会うことになったかもしれない ここはフレンチ出身のシェフが手がける独創的なカレーで評判を集める『Mカッセ』。2020年のオープン以来、その独自のアプローチが話題となり、現在ではなんばに2号店を準備中。人気ぶりは、記帳制を導入していることからも明らかだ。ふらっと立ち寄ることのできないカレー店。そんなハードルの高さも期待を煽ってくる。 そんな期待の中でいただいた期間限定「マグレ鴨のフレンチビリヤニプレート」。 まずは、ビリヤニから。スパイスの効いたビリヤニに、オレンジの甘酸っぱさが加わり、鴨肉のコクを引き立てる。むかごのほくほくとした食感がアクセントとなり、ひと口ごとに違った表情を見せるのが面白い。この上にトッピングされるが「マグレ鴨の胸肉」。しっとりとした胸肉は絶妙な火入れで、噛むほどに鴨の旨味があふれ出す。そして、低温でじっくり仕上げられたコンフィは、口に入れた瞬間にほぐれるほどの柔らかさ。効果的に配置される野菜もフレンチの付け合わせのよう。 カレーは、鴨もしょいたくなると紹介された「白葱クリームカレー」。スパイスの熱量は抑えられ、まるでシチューのような優しさ。葱の旨味が溶け込んだクリームソースで、滑らかで奥行きのある味わいに仕上がっている。その適度な苦味は春の訪れを感じさせます。スパイスカレーの枠に収まりきらない、フレンチならではのアプローチが光る。 フレンチといえば、ソースが肝要だが、柚子胡椒、黒胡椒、花椒の3種を使ったソースが、それぞれ異なる角度から味覚を揺さぶる。全体のスパイス感を抑えた構成だからこそ、このアクセントがしっかりと活きる。 マイルールに反して限定メニューをいただくことになったが、むしろフレンチの要素が強調されている分、結果オーライだったのかもしれない。次回は、なんばの新店で定番メニューを試し、このカレーの本質にさらに迫りたい。ご馳走様でした。 — Mカッセ06-6654-5104大阪府大阪市住吉区東粉浜3-22-9 西尾第一ビル1Fhttps://tabelog.com/osaka/A2701/A270404/27120447/