宿命のリマッチ。夜の最終ラウンドへ@おにぎり竜

再びこのリングに戻ってきてしまった。北新地の夜、その最終ラウンドを戦い抜いた者だけに許された特等席。前回の対戦では王者の風格に圧倒されたが、今回はこちらも準備万端。『おにぎり竜』との再戦のゴングが鳴る。

元ボクシング世界チャンピオンが握るおにぎり。その拳が、いま米をふんわりと包み込む。前回感じた、まるで軽やかなフットワークのような握りの妙。今回はその真髄を、改めて噛み締める。

今回の対戦相手は「かば田の明太子」と「焼き鮭」。まずは明太子のジャブから入る。粒立ちの良さが際立ち、口の中でパチパチと弾ける。それと同時に、じんわりと広がる辛みと塩気。米の甘みと組み合うことで、旨味のコンビネーションが決まる。まさにカウンター狙いの一撃。

そして「焼き鮭」。これが本命のボディブロー。しっかりと焼き上げられた鮭は、表面の香ばしさと内側のふっくらとした食感が絶妙。塩気の加減も申し分なく、米と鮭、それぞれの持つ甘みが互いを引き立てる。これは、王道の中の王道。焼き加減と塩のコントロールで、試合の主導権を完全に握る。

前回と同じ結論にたどり着いた。このおにぎりは、単なる締めではない。戦いの余韻を噛み締めるための、最後の一発。試合終了のゴングが鳴る頃、胃袋の奥底にじわりと染み渡るこの感覚。王者の拳は、やはり一味違った。

ご馳走様でした。

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おにぎり竜
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