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2025.03.16 夜

モノづくりの街が生んだ焼鳥。@焼鳥 登鶏

焼鳥・焼きとん

北河内・東大阪

5000円〜9999円

★★★★☆

東大阪に店を構える『焼鳥 登鶏』を訪ねます。

東大阪市といえば、日本屈指のモノづくりの街。市内の製造業の事業所密度は全国1位を誇り、町工場が軒を連ねるこの土地では、最先端の工業技術が日常に溶け込んでいる。そんな技術が、まさか焼鳥の世界にも活かされるとは。ここでは焼鳥の串にチタンを使用しているのだ。金属の種類が変わるだけで、火入れの精度が変わり、鶏の旨みの引き出し方にも違いが生まれる。ステンレスや鉄と違い、チタンは熱伝導が穏やかで、金属臭をつけずに均一な火入れが可能。まさに、モノづくりの街だからこそ生まれた発想だ。

そんなこだわりの串に刺さるのは、大阪では珍しい比内高原の地鶏。さらに、高坂鶏にも挑戦するなど、鶏自体への探求も怠らない。鮮度への自信もあるのだろう、刺身やたたきといった提供方法も見られる。

串のポテンシャルの高さは、1本目の「ねぎま」から完全に確認できる。鶏油をまとわせながら丁寧に焼かれ、身と皮の旨みがしっかりと凝縮。外は香ばしく、中はジューシーな仕上がり。

「はつ」はぷりっとした弾力のあとに、濃厚な旨みが流れ出す。

「つくね」は肉の密度が高く、噛むほどに鶏の旨みがあふれる。

「ぼんじり」は、脂の甘みがありながら、しつこさを感じさせない絶妙な焼き加減。チタンの串のおかげか、どの串も火入れが均一で、素材の持ち味がダイレクトに伝わる。

「手羽元」は、しっかりとした食感を残しつつも、中はジューシーで、皮の香ばしさが際立つ仕上がり。

「はらみ」は、濃厚な脂と肉の旨みが共存し、噛むたびに味わいが増していく。

「手羽先」は、パリッとした皮の香ばしさと、じゅわっとあふれる旨みのコントラストが楽しい。

鶏以外の料理も充実。

「黄韮と菜の花の茶碗蒸し」春の香りをまとった一品。滑らかな舌触りの中に、野菜のほろ苦さが心地よく広がる。

「倭鴨」低温調理により、肉の繊細な旨みを引き出し、羽曳野の天恵菇と小蕪が添えられる。焼鳥の名脇役である野菜にも、一切の妥協がない。

「山芋そーめん」白ワインの香りがふわりと漂い、さっぱりとした味わい。

「土鍋ごはん」若ごぼうと鶏の出汁が染み込んだ滋味深い一杯。〆にふさわしい、ほっとする味。

「ミルクジェラート」塩とはちみつが絶妙なバランスで絡み合い、濃厚なのに後味が軽やか。

「苺」大阪・大東市産のかおり野甘みと酸味が心地よく広がる。

焼鳥にチタンを使うという発想は、まさに東大阪ならでは。モノづくりの街だからこそ生まれた、焼鳥の新たなスタイルを味わうことができる。工業技術が焼鳥の可能性を広げる、この町ならではの一軒だった。ご馳走様でした。

焼鳥 登鶏
050-5596-1936
大阪府東大阪市吉田本町1-7-8 第2高山ハイツ 1F
https://tabelog.com/osaka/A2707/A270703/27097155/

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