2025.03.15 昼 梅の花もいいが、やはり団子も。@木村屋本店 デザート 水戸・笠間 〜999円 ★★★★☆ 水戸といえば、やはり梅の街。歴史的にも、文化的にも、この地に根付く象徴的な存在だ。実際に偕楽園を歩けば、約3000本もの梅の木が咲き誇り、その香りと風景に心を奪われる。品種によって咲き方や香りが違い、散策するだけで春の訪れを存分に感じられるのもいい。 ……とはいえ、やはりミトミえもんは花より団子。眺めるだけでは物足りず、食べる梅を求めて『木村屋本店』へ。創業百年以上の老舗が手がける銘菓「水戸の梅」は、水戸土産としても長年愛されている一品だ。どこか懐かしさを感じる意匠と、丁寧な仕事ぶりが詰まったこの菓子。 箱を開けた瞬間、ふわりと紫蘇の香りが広がる。甘い和菓子のはずなのに、この香りがあるだけで一気に凛とした雰囲気をまとい、食べる前から期待が高まる。蜜漬けの紫蘇の葉に包まれた求肥、その中に収められたこし餡。ひと口含むと、紫蘇の爽やかな香りとやわらかな塩気がまず広がり、続いてこし餡のまろやかな甘みが追いかける。甘さと塩味のバランスが絶妙で、和菓子らしい上品な余韻を残す。紫蘇の香りがふんだんに感じられるのも、この菓子の個性だろう。 江戸時代、水戸藩主・徳川斉昭が梅を愛し、その文化を広めたことは有名だが、こうして味わいとして楽しめるのもまた一興。水戸の梅は、眺めるだけでなく、食べてこそその魅力を深く感じられる。花の美しさも結構だが、やはり団子も欠かせない。ご馳走様でした。 — 木村屋本店029-221-3418茨城県水戸市南町1-2-21https://tabelog.com/ibaraki/A0801/A080101/8000367/