2025.03.15 昼 遠くても通いたくなる、本場仕込みのタイ料理@バンセンストア 世界料理(アジア) 水戸・笠間 1000円〜2999円 ★★★★☆ 水戸の郊外、大洗にもほど近い場所に、本格タイ料理の楽園あり。決して駅近とは言えない立地ながら、ひっきりなしに客が訪れる。『バンセンストア』は、タイ料理の食堂とアジア食材の店が一体となった空間。並ぶ調味料や食材が、そのまま現地の空気を持ち込んでいるかのようだ。スパイスの香りに包まれ、店内に足を踏み入れた瞬間から異国情緒が漂う。 まずは「カーウマンガイトー」。カオマンガイの揚げバージョンといったところか。衣はザクザクと香ばしく、噛むほどに広がる鶏の旨味と、ガーリックの効いたライスが絶妙にマッチする。そこに合わせるのは、しょっぱ辛いソース。ピリッと刺激的な風味が加わり、一気に食欲を掻き立てられる。 「トムヤンクン」は、酸味が際立つ仕立て。トマトの甘酸っぱさがスープに奥行きを加え、辛さと酸味がじわじわと広がる。スープの中に豆腐が入るのも面白い。刺激の中に一瞬の安らぎを与える、ちょっとした休憩ポイントのような存在だ。 「ガパウガイ」は、ナンプラーのコクと甘辛いタレ、ニンニクのパンチが一体となる力強い味わい。そこに追いかけるように辛さが押し寄せ、食べるほどに舌が熱を帯びてくる。それでも箸が止まらない。このジャンキーさこそが、本場のガパオの魅力だろう。 「パッタイ」は、もっちりとした麺が特徴的。まるで生パスタのような弾力のある食感が楽しめる。ソースがしっかり絡み、甘さ、酸味、コクがバランスよくまとまっている。レモンを搾れば味が引き締まり、単なる酸味の足し算ではなく、全体の調和が際立つ仕上がりに。最後まで飽きずに楽しめる一皿だ。 食べ進めるほどに、タイの街角で味わう屋台料理が浮かんでくる。店の隅に並ぶ調味料や食材も、まるでバンコクの市場のよう。スパイスの香りに包まれながら、この異国情緒を楽しめるのが『バンセンストア』の魅力だ。駅からの距離も関係ない。むしろ、そのハードルを超えてでも行く価値があるからこそ、店は賑わうのだろう。ご馳走様でした。 — バンセンストア029-267-0273茨城県水戸市平戸町367-1https://tabelog.com/ibaraki/A0801/A080102/8012548/