しらす尽くしの専門店で出会う禁断の味@土佐しらす食堂 二万匹

六本木に店を構える『土佐しらす食堂 二万匹』へ。

しらす好きが、しらすのために作った店と言っていいだろう。店主・岩本梨沙氏の地元、高知県安芸市から直送される釜揚げしらすを惜しげもなく使用し、どのメニューにもその姿が確認できる。屋号の由来は定かではないが、まさに一日に二万匹も使いそうな勢いだ。それだけしらすに特化したメニュー構成になっております。

看板メニューは「禁断のしらすバター丼定食」

エシレバターを贅沢に使用し、3段階で味わうスタイルが特徴的。まずはそのまま、釜揚げしらすのふっくらとした食感と、ほのかな塩気を堪能。

次に、温かいご飯の熱でバターをじんわり溶かし、コクと香りをまとわせながら食べ進める。そして最後に、秘伝のタレをかけることで、甘みと旨味が一気に増す。シンプルな構成ながら、温度と調味の変化で味に奥行きを出す工夫が面白い。エシレバターが絡むことで生まれる濃厚なコクは、まさに“禁断の味”。

白味噌の味噌汁も美味しい。釜揚げしらすを作る際に生まれる煮汁を使っているのかもしれない。ほのかな甘みとコクが口の中にじんわり広がる。塩気のあるしらす料理の合間に飲むことで、味のバランスが整い、最後まで飽きずに楽しめる。

ふっくらふわふわの釜揚げ、バターと絡めた濃厚な味わい、出汁としての奥行き。しらすという小さな食材のポテンシャルをここまで引き出すのは、素材へのこだわりと、シンプルながら計算された調理の技があってこそだろう。営業日が限られているのが唯一の難点だが、それだけに特別感もある。しらす好きなら、一度は訪れるべき一軒。ご馳走様でした。

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土佐しらす食堂 二万匹
03-6455-4761
東京都港区六本木7-10-30 第2清水ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13242968/