2025.03.12 夜 鶏好きのための一軒。@ひな鳥 そのだ 焼鳥・焼きとん 大井・蒲田 3000円〜4999円 ★★★☆☆ 鮫洲にある『ひな鳥 そのだ』へ。 2012年創業のこの店は、鶏料理に特化した居酒屋で、焼き・揚げ・煮るというシンプルな調理法を駆使しながら、それぞれの持ち味を引き出している。主役は店名も背負う「ひな鶏素揚げ」。一人前で半身を提供するスタイルで、胸ともも、それぞれ異なる表情を見せる。胸肉はふっくらとジューシー、 もも肉は皮目がパリッと香ばしい。衣を纏わせず、ダイレクトに素揚げすることで、鶏の旨味をストレートに感じられる仕上がりだ。塩味を強く効かせているのも居酒屋らしさ。 いわゆる焼鳥ではなく、鶏料理のお店。「砂肝」は適度な歯ごたえを残しながらも、噛むほどにじんわりと旨味が滲み出す。 「せせり山椒」は、せせりのジューシーな旨味に山椒のほのかな刺激が心地よく、酒との相性も抜群。 「なんこつ」は、コリコリとした軟骨の食感にカレー塩のスパイスがピリッと効いており、つまみとして手が止まらない。 「手羽先煮」は黒胡椒のアクセントが効いており、プルプルと柔らかく煮込まれた肉が口の中でほぐれる。 串は、ぷるんと弾む食感としっかり効いた塩気が特徴の「はつ」だけいただきました。 「揚げたて豆腐」は、表面がサクッと揚がり、中はとろけるような口当たり。シンプルながら、豆腐そのものの甘みを楽しめる一品だ。鶏料理の箸休めにちょうどいい。 そして、最後に「鶏スープ」をいただく。澄んだスープの中に、鶏の旨味がじんわりと溶け込み、胃の中に優しく染み渡る。濃厚すぎず、それでいてコクがある。ここまで鶏を味わい尽くした締めとしてふさわしい一品。 創業から10年以上にわたり、鶏という素材の多様な表情を追求し続けてきた『ひな鳥 そのだ』。山椒、黒胡椒、カレー塩といった味の輪郭を際立たせる調味の妙が光り、食べ進めるほどに鶏の面白さが見えてくる。鶏好きなら、一度は訪れるべき一軒。ご馳走様でした。 — ひな鳥 そのだ03-3471-2322東京都品川区南品川5-14-11https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13137722/