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2025.03.09 夜

半世紀を超えて愛される、もてなしと味@ ざくろ TBS店

焼肉・肉料理

赤坂・永田町・溜池

10000円〜29999円

★★★★☆

赤坂のど真ん中で、静かに、しかし確かに歴史を刻む老舗『ざくろ TBS店』。

創業は1955年、日本におけるしゃぶしゃぶ文化の礎を築いた名店のひとつであり、今もなお、その伝統と格式を守り続けている。その名が示す通り、「ざくろ」の実がぎっしりと詰まっているように、店内は日本のもてなしの心で満ち溢れている。格式ある空間、着物姿の女将、行き届いた接客——まさにホスピタリティの極致。個室、カウンター、大広間と、どの席をとっても隙のない設え。それだけの大箱を埋める実力が、この店にはある。

そんな『ざくろ』でいただくのは、王道のしゃぶしゃぶ。今回注文したのは「松阪牛大皿しゃぶしゃぶ定食」。まず目の前に現れるのは、見事なサシが入った松阪牛。

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きめ細かい霜降りに、しっかりとした肉の赤身が映える。この美しさだけで、すでに期待値が高まる。そして、主役を支える脇役たち。白菜、長ネギ、豆腐、えのき、椎茸、、、それぞれが、シンプルながらもしっかりと鍋の中で役割を果たす。

鍋が温まり、いよいよ主役の登場。出汁にさっとくぐらせた松阪牛は、見事なまでにとろける食感。口の中に入れた瞬間、脂がふわっと広がり、甘みのある余韻が残る。噛むほどに旨味がじんわりと広がり、気づけば箸が止まらなくなる。

そして、しゃぶしゃぶの決め手となるのがタレ。
「胡麻ダレ」と「ポン酢」、どちらも秀逸。胡麻ダレは濃厚ながらもくどさがなく、まろやかなコクと香ばしさが肉の甘みを引き立てる。一方、ポン酢は柑橘の爽やかさと醤油の深みが絶妙で、脂ののった松阪牛でもさっぱりと食べさせてくれる。このタレの完成度の高さこそ、長年にわたって多くの客を魅了し続ける理由のひとつだろう。

そして、「ざくろ」のしゃぶしゃぶには、もうひとつの楽しみがある。それは、食べ終わった後の「締めの麺」。肉や野菜の旨味がしっかりと溶け出したスープに、細めの麺を投入。軽く火を通し、しなやかに仕上げれば、それだけで立派な一品となる。シンプルながら、スープの旨味を余すことなく楽しめる最適解。ここで改めて、しゃぶしゃぶという料理の完成度の高さを実感することになる。

老舗でありながら、決して古臭さを感じさせない『ざくろ』。格式と温かみが共存する空間で、最高級の肉を最もシンプルかつ贅沢な形で味わう。赤坂という地で半世紀以上愛され続ける理由が、ここにはある。改めて、日本のしゃぶしゃぶ文化の奥深さを実感させられた。ご馳走様でした。

ざくろ TBS店
03-3582-6841
東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー SHOPS&DINING 2F
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13002758/

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