2025.03.07 夜 スープ一滴まで飲み干したくなるラーメン。@らーめん天神下 大喜 ラーメン・つけめん 秋葉原・神田・水道橋 〜999円 ★★★★☆ 御徒町の名店、『らーめん天神下 大喜』。その名を知らしめたのは、やはり「とりそば」。ラーメンという枠を超え、もはや“鶏料理”と呼ぶべき完成度。鶏の旨味を極限まで引き出し、透き通るスープに落とし込む技術。閉店間際でもなお列が途切れないのは、そんな一杯を求める人々の期待と信頼の証である。 まずはスープを一口。鶏が押し寄せる、そんな表現がしっくりくる。透き通った清湯ながら、決して淡白ではなく、じんわりと奥行きのある旨味が広がる。飲み進めると、ふわりと感じるコラーゲンのまろやかさ。軽やかさの中にほんのりとした粘度があり、舌を包み込むような心地よさを生む。鶏の旨味だけを丁寧に抽出し、余計な雑味を排除したかのような洗練されたスープ。かえしの塩気も絶妙で、飲み進めるほどにその輪郭が研ぎ澄まされていく。スープ割も用意されているが、気づけばそのまま完飲していた。 麺は細めのストレート。啜るとスープと見事に一体化し、小麦の香りとともにスープの余韻を引き連れてくる。鶏チャーシューにおいては、しっとりと低温調理された胸肉で、噛むほどに鶏の旨みが滲み出す。そして、この一杯にスイッチを入れるのが、柚子胡椒。じんわりと広がるスープの旨味をキュッと引き締め、輪郭を際立たせる。穏やかに進行するスープに、ピリッとしたアクセントを加えることで、一口ごとに表情を変える。 店主は、鶏という素材を知り尽くした料理人。スープ、麺、具材、それぞれが主張しすぎることなく、全体として一つの完成形を作り上げる。その研ぎ澄まされた一杯を求め、今日も行列は続く。ご馳走様でした。 — らーめん天神下 大喜03-3834-0348東京都台東区台東2-4-4https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13208678/