2025.03.05 夜 静かに、しかし確かに響く。@ながほり 居酒屋・定食 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 大阪・玉造の住宅街にひっそりと佇む『ながほり』。蔵造り風の一軒家は、格式を感じさせながらも肩肘張らずに楽しめる温もりがある。その佇まいは、静かに美味を予感させるよう。知る人ぞ知る名店ながら、予約困難な人気店として名を馳せるのも頷ける。 名物の「活松葉蟹ジュレ添え」は、まさに冬の贅沢そのもの。松葉蟹の繊細な甘みが際立ち、ジュレの酸味がその味をさらに引き締める。口の中でふわりと広がり、スッと消えていく儚さがまた心を掴む。 次に登場するのは「蟹味噌コロッケ」。衣はサクッと香ばしく、中はとろりと濃厚。そのクリーミーな舌触りの中に蟹味噌の深みが加わり、一口ごとに至福の時間を生み出す。 そして、「アジフライ」。揚げたてを頬張れば、衣はサクッと、身はふんわりとほどける。そのふくよかな旨味は、一流の仕入れの証。 続く「うまい野菜山椒あんかけ」は、名は体を表す一皿。たっぷりの根菜に絡む山椒のピリピリとした刺激が、野菜だけで一杯飲めるほどの味わいを作り上げる。脇役ではなく、堂々たる主役級の存在感を放つ。 「焼きれんこん」は、素朴ながらも食感の妙が光る。噛み締めるたびにシャクシャクと広がる甘みが心地よい。 「酢豚」は、ただの甘酸っぱい一品ではない。餡の深みが格別で、辛味が隠し味となって味にキレを与える。どの料理もシンプルながら、素材の持ち味を最大限に引き出し、余計な装飾は一切ない。 『ながほり』は、華美な演出こそないが、一皿ごとに料理の本質を極めた味わいが待っている。良い食材を、丁寧な仕事で。そんな信念が、料理を通してまっすぐに伝わってくる。大阪で美味いものを求めるなら、ここは間違いなく外せない一軒だろう。ご馳走様でした。 — ながほり06-6768-0515大阪府大阪市中央区上町1-3-9https://tabelog.com/osaka/A2701/A270204/27000581/