2025.02.26 昼 富津の海とともに、穴子を味わう@いそね 居酒屋・定食 市原・木更津・富津 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 千葉県富津市。東京湾の幸を堪能するなら、ぜひ訪れてほしい一軒『いそね』。 創業から40年近く、地元漁港で揚がる新鮮な魚介を使い続ける老舗。特に、地元で「はかりめ」と呼ばれる穴子にこだわりを持つ。はかりめとは、穴子の細長い体が棒はかりの目盛りに似ていることに由来する富津の方言。それほどまでに、この地の暮らしに密着した存在なのだ。店名の『いそね』は、そのまま読めば「磯の根」だろうか。由来は定かではないが、そう考えると、まさに海と共に歩む姿勢を象徴するネーミングではないか。房総半島の地魚を味わうにはうってつけの一軒である。 ここで味わうのは、期待を裏切らぬ地魚たち。その中から二品を紹介しよう。 まずは「黄金アジフライ」。房総といえばアジフライ。特に富津のアジは脂がのり、身に甘みがあるのが特徴だ。しかし、揚げ物は油の状態次第で印象が変わるもの。ふんわりとした身の質感は担保されているが、少々油の強さがもったいなかったかも。それでも、ソースや塩で味の変化を楽しめば、アジの旨味を十分に感じることができるだろう。 そして看板メニュー「はかりめ二色丼」。はかりめこと穴子を二つの味で楽しめるのがこの丼。一つは甘辛い秘伝のタレで煮上げた、濃厚なこってり系。もう一つは、天然塩とレモンでさっぱり仕上げたシンプル系。穴子のふっくらとした食感と、タレの濃厚な甘み。対する塩とレモンの爽やかな酸味が際立つ軽やかさ。この二つのコントラストが実に面白い。丼のボリュームも十分で、食べ応え抜群。途中でわさびを足して味の輪郭を引き締めるのもいいだろう。 さらに味噌汁もアラ汁というのが嬉しいポイント。魚の旨味が凝縮された出汁が、食事の締めくくりにふさわしい一杯だ。 富津の海と地魚の魅力を存分に堪能できる『いそね』。房総の魚介料理を味わいたいなら、訪れる価値のある一軒だ。ご馳走様でした。 — いそね0439-65-3535千葉県富津市岩瀬993-4https://tabelog.com/chiba/A1206/A120603/12011164/