京都の夜を締めくくる、立ち食いそばの粋@すば

京都の立ち食い蕎麦屋『すば』へ。

古都らしい風情を残す建物に、大きな石のテーブルが二つ。スタイルは立ち食いだが、安っぽさは一切ない。むしろ、それが店の個性となっている。夜遅くまで営業しているのも魅力の一つで、飲んだ後の締めに蕎麦という選択肢があるのは嬉しい。そんな京都らしい粋な店に、観光客だけでなく地元の人、さらには海外の客も多く訪れる。

名物は「名物！肉そば温泉玉子」。たっぷりの肉がトッピングされ、そばの姿を隠してしまうほど。細めのそばは、出汁が絡みやすい設計。関西らしいすっきりとしたつゆに、肉の脂がじんわりと溶け出し、コクと甘みをプラスする。温泉玉子を割れば、黄身のまろやかさが全体を包み込み、一口ごとに味の変化を楽しめる。立ち食いというカジュアルな形式ながら、出汁の完成度は高く、蕎麦も自家製というこだわりを見せる。

欲を言えば、七味をもっとがっつりかけたかった。つゆの甘みと肉の旨味を考えれば、ピリッとした刺激が欲しくなるのは自然な流れ。カウンターに取りに行くスタイルも悪くはないが、卓上に置いておいてくれたら、もっと気軽に味変を楽しめるのに。

「すば」は、ただの立ち食い蕎麦屋ではない。その場でさっと食べて立ち去るスタイルはまさに京都らしい潔さ。気取らず、かつ洗練された味わいがそこにはある。立ち食いでありながら、きちんと「また来たい」と思わせる。飲んだ後の締めに、ふらりと立ち寄りたくなる店だ。ご馳走様です。

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すば
075-708-5623
京都府京都市下京区木屋町通松原上ル美濃屋町182-10
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26036945/