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2025.02.18 夜

肉の総合芸術。@銀座 ひらやま

焼肉・肉料理

築地・湾岸・お台場

50000円〜

★★★★☆

銀座の名だたるステーキハウスの中で、『銀座 ひらやま』は独自の存在感を放つ一軒。

店主は、名店『ゆたか』で修業を積み、さらには銀座の『かわむら』と兄弟弟子の関係にある人物だ。炉窯で焼き上げる肉の技術に加え、牛肉の魅力を最大限に引き出す多彩なアプローチが、この店の真骨頂。単なるステーキハウスではなく、肉料理の総合芸術と言っても過言ではない。

コースは、肉だけでなく海の幸や旬の食材を織り交ぜた流れ。「牡蠣」はミルキーな味わいを生かし、シンプルに仕立てる。

「鮑のマリネのキャビア添え」は、鮑の弾力とキャビアの塩味が絶妙なバランスを生み出し、序盤から期待が高まる。

「ホワイトアスパラのポーチドエッグ トリュフ」は、アスパラの甘みと黄身の濃厚さ、そこにトリュフの芳醇な香りが加わる三重奏。序盤から攻めの姿勢がうかがえる。

「牛肉のタルタルステーキ」は、極限まで細かく刻まれながらも、噛むごとに肉の旨味が広がる仕立て。パンとともに食べれば、その余韻がより一層引き立つ。「牛刺し」は、融点の低いサシが舌の温度でスッと溶け、口内で肉の甘みが爆発する。

「牛タン」は、炭火の香ばしさと独特の弾力を持ちながら、噛み締めるたびに旨味が溢れ出す。そして、辛子をアクセントに使うことで、肉の味を引き締める演出が光る。

ここで「ボロネーゼ」。一般的なミートソースとは一線を画し、粗めに刻まれた肉が主役。ゴロっとした塊肉の食感を生かし、トマトの酸味と肉の旨味を融合させた贅沢な一皿。

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「雲丹」は、そのクリーミーな甘みと肉のコクが絶妙に絡み合い、濃厚な旨味の相乗効果を生み出している。

そして「ハンバーグ」。粗挽きにした牛肉をぎゅっと詰め込み、肉そのものの旨味を存分に味わえる仕立て。表面の香ばしさと内部のジューシーさの対比が素晴らしい。その肉の旨みにデミグラスソースなどは必要がない。

今度は「メンチカツ」。ナイフを入れた瞬間、ジュワッと溢れ出す肉汁。粗挽きの肉は、ジューシーでありながら噛み締めるたびに肉の旨味が感じられ、まさに一口で幸福に包まれる。

クライマックスは『ひらやま』の代名詞ともいえる炉窯焼きの「牛カツと牛ステーキ」。炉窯の遠赤外線でじっくり火入れすることで、表面は香ばしく、中はしっとりと焼き上がる。この焼きの技術こそ、店主が受け継ぎ、磨き上げてきたもの。噛み締めるたびに、肉の持つポテンシャルの高さを実感する。

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ここまで肉を堪能した後に、「カレー」と「牛丼」が登場する。。カレーはスパイスの層の奥に、しっかりと肉の甘みが溶け込んでいる。単なるスパイシーさではなく、肉を主役にしたカレーとしての完成度が高い。

「牛丼」は、なんとサーロインの薄切りを使用。普通の牛丼とは一線を画し、サーロインならではのとろける脂とジューシーな肉質が、ご飯との相性を極限まで高めている。カジュアルな一品のはずが、一流の技術によって最高級の味わいに昇華されている。

『銀座 ひらやま』は、ただのステーキハウスではない。炉窯を駆使し、牛肉の可能性を追求することで、新たな肉料理の価値を生み出している。銀座という地において、肉料理の新たなスタンダードを築き上げる存在。肉好きなら、ここを知らずして銀座の肉を語るなかれ。ご馳走様でした。

銀座 ひらやま
03-6264-0688
東京都中央区銀座7-17-1 武蔵野ビル1F
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13151917/

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