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2025.02.08 夜

お腹も心も満たす、静岡の中華劇場。@中国料理 村松

中華料理

静岡市(静岡・清水)

10000円〜29999円

★★★★☆

静岡市葵区にひっそりと佇む『中国料理 村松』。

カウンター7席のみ、完全予約制のこの小さな店で繰り広げられるのは、静岡の恵みを存分に活かした中華料理。店主の村松祐典氏は、京都の名店『京 静華』で研鑽を積み、そのエッセンスを静岡の地で見事に昇華させています。修行先は、日本の四季を映し出すかのような繊細な中華料理で知られる名店。その師匠から贈られたという丸太のまな板は、村松氏の手元で静かに存在感を放つ。春巻きに添えられるシャーベットや杏仁豆腐のニュアンスにも、その影響が色濃く感じられますが、何より村松氏の料理には静岡という土地の個性がしっかりと宿っているのが特徴です。

特に印象的なのは、静岡県産の野菜や鮮魚のポテンシャルの高さを活かした料理の数々。その象徴とも言えるのが、スペシャリテである「お造りのサラダ」。この一皿は静岡の名鮮魚店から仕入れる極上の魚介を、薬味のように機能するカラフルな地元野菜とともに楽しむ一品です。今回はハナダイを使用。細かく刻まれた野菜たちは、単なる彩りにとどまらず、塩や胡椒、たっぷりのレモンで調味され、魚の旨味を引き立てる名脇役となっています。

それでは、当日のラインナップを一気にご紹介してまいりましょう。

「茶」静岡らしくお茶からスタート。希少品種「やまかい」を使用した一杯で、静岡の土地を感じる導入。

「蓮根餅とサゴシと葱のパイ包み」蓮根のモチモチ感とサゴシの旨味、葱の香りが絶妙なバランス。安倍川餅と鰻パイを彷彿とさせる、静岡らしさを感じるアミューズ。

「中国粥」じんどう烏賊と生海苔を合わせた一杯。

「白甘鯛」揚げニンニクのパウダーをあしらった香港スタイル仕立て。カリッとした皮とふわっとした身のコントラストが際立つ。

「棒棒鶏」

「蒸しスープ」トマトと牛肉団子の組み合わせ。それぞれの素材の旨味が溶け合う、滋味深いスープ。

「芋の春巻き」安納芋や紫芋など数種類の芋を使ったデザート感覚の春巻き。生姜のシャーベットがアクセントに。

「牡蠣」油淋鶏ソースをかけて、中華風の天ぷらに仕立てに。ディルとフェンネルの香りが牡蠣の旨味を引き立てます。

「うっかりかさご姿蒸し」薬味たっぷりの一皿。三つ葉や豆苗を和えた薬味だけでご飯が進む。ピーナッツ油の香ばしさが決め手。

「あさはた蓮根とプチベール」素揚げされた野菜の甘みと香ばしさが際立つ一品。静岡の大地の恵みを感じることができます。

「ルイビ豚のバラ肉の角煮」とろけるような角煮と、これまたおかわり必至の白ご飯。この組み合わせに説明は不要でしょう。

「杏仁豆腐」プルンプルンの食感が楽しい杏仁豆腐には、静岡みかんや静岡レモンが味にアクセントを作る。

そして、この店の魅力は料理だけにとどまりません。村松氏の“お腹いっぱい食べさせたい”という優しさが、料理の随所に表れています。魚や肉料理はもちろん、ご飯もおかわり自由。スペシャリテであるサラダですら、おかわりが可能という太っ腹ぶり。この心意気こそが、カウンター越しの温かさとなり、訪れる人々を虜にしているのでしょう。静岡の大地と海の恵み、そして師匠から受け継いだ技と心意気が詰まった一皿一皿。ただ美味しいだけでなく、心もお腹も満たしてくれる一軒です。ご馳走様でした。

中国料理 村松
090-8657-5416
静岡県静岡市葵区太田町9-3
https://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22039417/

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